2009 Fiscal Year Annual Research Report
薬剤耐性胃癌細胞株の樹立とそのタンパク分子プロファイル
Project/Area Number |
21591676
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
西塚 哲 Iwate Medical University, 医学部, 講師 (50453311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩谷 岳 岩手医科大学, 医学部, 助教 (70405801)
若林 剛 岩手医科大学, 医学部, 教授 (50175064)
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Keywords | 薬剤耐性 / プロテオミクス / 抗癌剤 / ストレス反応 / シグナル伝達 / 細胞集団 / 蛋白アレイ / 分子間作用 |
Research Abstract |
固形がんに対する化学療法は、術前・術後の補助療法として治癒率の向上に貢献するようになったほか、切除不能高度進行癌・再発癌の生存期間の延長をもたらすようになった。一方で、薬剤療法抵抗性腫瘍や毒性発現による治療継続困難例も多数存在する。そのうち薬剤抵抗性の獲得はがん化学療法において大きな障害となっている。従って薬剤に抵抗性を示す細胞を解析することは、薬剤耐性の獲得メカニズムを解明するため非常に有用であると考えられる。本研究では胃癌の化学療法に最も広く使われている抗癌剤の一つであるシスプラチン(CDDP)と、ヒト胃癌細胞株であるMKN45を用いてシスプラチン抵抗性胃癌細胞集団を単離し、細胞がCDDP抵抗性を獲得した時にどのような違ったタンパク分子反応を引き起こすか検討する。 今までに単離された7つのCDDP耐性細胞集団から、最も大きな差を示した集団に対して再びCDDPと接触させウェスタンブロットを行った。CDDP暴露後24時間ではp53タンパクとp21タンパクは薬剤濃度の増加に応じて発現が増強した。一方、耐性集団ではp53タンパクは16μMを中心に発現の変動がみられ、p21タンパクは薬剤濃度の増加に伴って発現が減弱した。これらのことから、これらの時間と薬剤濃度でより詳細な蛋白レベルでの検討を行うことで、親株と薬剤耐性集団の蛋白反応の違いを見ることが可能となった。今後は親株および耐性集団に対して詳細なインターバルでサンプルの回収を行い、蛋白定量解析に優れた技術であるRPA(逆相蛋白ライセートマイクロアレイ)を用いて検討を行う。
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