2011 Fiscal Year Annual Research Report
スルフォラファンのオートファジーを介する乳癌細胞死滅機構の同定と癌治療への応用
Project/Area Number |
21591683
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
螺良 愛郎 関西医科大学, 医学部, 教授 (90098137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 範久 関西医科大学, 医学部, 講師 (30368211)
圦 貴司 関西医科大学, 医学部, 講師 (50330212)
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Keywords | sulforaphane / Mammary / Breast / Apoptosis / Autophagy / Cell death / Bafilomycin A1 |
Research Abstract |
スルフォラファン(SFN)のMCF-7とMDA-MB-231ヒト乳癌細胞株に対する効果をみたところ、72時間培養時の50%阻害濃度(IC50)は各の33.8μMと31.5μMであり、細胞死も観察された。MDA-MB-231細胞株に30μMのSFNを作用させたところ、S期とG2/M期での細胞周期停止を認め、p21CIP1/WAF1とp27KIP1の上昇とCyclin A,Cyclin B1とCdc2値の減少をみた。細胞死はCaspase-3の上昇とBc1-2値の減少によるアポトーシスであったが、オートファゴソームの形成、acidic vesicular organellesの出現やLC3の発現増強で特徴づけられるオートファジーがみられた。そこで、オートファジー阻害剤であるBafilomycin A1をSFNとともに作用させたところ、Baxの発現増強、Caspase-3やPARP-1の開裂、ミトコンドリア膜電位の低下によるアポトーシスの有意の増強による生細胞の減少をみたが、3-methyladenineでは有意な変化はみなかった。よって、SFNにオートファジー阻害剤(Bafilomycin A1)を併用すれば新たな乳癌治療として有望と考える。加うるに、KPL-1ヒト乳癌細胞株を雌BALB/cヌードマウスの乳腺脂肪織内に正所性に移植して、25あるいは50mg/kg・SFNを腫瘍細胞移植翌日より週5回腹腔内投与して26日目における原発腫瘍増大ならびに転移形成につき比較したところ、目立った毒性はなく、50mg/kg・SFNは有意な原発巣の増大抑制をみるとともに転移に対しても抑制傾向を示した。
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