2011 Fiscal Year Annual Research Report
HER2陽性乳癌における免疫学的解析ー免疫学的治療戦略の有効性についての検討
Project/Area Number |
21591685
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
関 直子 久留米大学, 医学部, 助教 (40226634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 輝彦 久留米大学, 医学部, 准教授 (50199288)
唐 宇飛 久留米大学, 医学部, 講師 (60268901)
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Keywords | 癌 / 免疫 |
Research Abstract |
HER2受容体を分子標的とするヒト化抗体製剤Trastuzumabの作用機序として、HER2レセプターを介したシグナル抑制の他に、免疫系を介した作用~抗体製剤に特徴的であるADCC効果や腫瘍抗原特異的細胞性免疫の賦活化等~があげられているが、これらの機構がTrastuzumabの臨床効果におよぼす重要性については不明である。本研究ではHER2陽性乳癌ならびにTrastuzumab治療症例検体を用いた多角的な免疫学的解析を行うことで、HER2陽性乳癌の予後・Trastuzumab臨床効果に対する宿主免疫系の影響を明らかにすることを目的とする。同時に、久留米大学で行われた"乳癌再発症例に対する自己活性化リンパ球による細胞免疫療法とTrastuzumab併用療法に関する第I/II相試験"から得られた臨床検体についても併せて解析を行う。抗体療法に癌患者における免疫抑制状態の解除・活性化につながる細胞療法を組み合わせることの有用性(相乗的な治療効果やTrastuzumab耐性の解除)について、基礎的なデータを賦与することを目的とし、HER2陽性乳癌・癌抗体療法に対する新しい治療ストラテジーの確立を目指す。 本年度は引き続き、乳癌生検組織および手術切除組織を用いた病理学的・免疫組織学的解析を中心とした解析を行い、癌局所のリンパ球浸潤におけるプロファイルの検討~従来のリンパ球サブセットに加え、FoxP3によるTreg、ImC浸潤、pSTAT3発現等についての検討を行った。その結果局所浸潤リンパ球発現FOXP3のみならず、腫瘍発現FOXP3も予後に影響を及ぼすことがわかり、結果についての学会報告を行うと共に、(8^<th> European breast cancer conference、他)現在論文投稿中である。今後、更に継続して癌の免疫学的バイオマーカー・予後因子についての検索・解析を予定している。
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Research Products
(2 results)