2011 Fiscal Year Annual Research Report
消化管間質腫瘍(GIST)におけるKITキナーゼ耐性クローンの多様性に関する研究
Project/Area Number |
21591694
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
神田 達夫 新潟大学, 医歯学系, 講師 (80303147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
味岡 洋一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80222610)
廣田 誠一 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50218856)
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Keywords | 消化管間質腫瘍(GIST) / イマチニブ / 薬剤耐性腫瘍 / 組織学的多様性 / KIT遺伝子 / ダイレクトシークエンス法 / マイクロ・ダイセクション |
Research Abstract |
新潟大学医歯学総合病院で外科切除されたイマチニブ二次耐性27腫瘍を対象として病巣内の多クローン性を病理形態的な性質を指標に分析した。その結果、組織学的性状および免疫反応性の異なる細胞領域が全27腫瘍中20腫瘍(74.1%)で認められ、その細胞領域の総数は66領域であった。 目的とする腫瘍からマイクロ・ダイセクション法で腫瘍組織片を切り出し、得られた組織からDNAを抽出した。抽出されたDNAを鋳型にPCR法を行い、KIT遺伝子をダイレクト・シークエンス法で分析した。平成22年度までに、全66領域中12領域までの遺伝子分析が終了したが、平成23年度は、残りの48領域につき、KIT遺伝子分析を行った。 しかしながら、前年度までに終了した12領域を含む全66の細胞領域のうち、信頼に足る遺伝子分析が行い得たものは20領域に過ぎなかった。分析可能であった領域のKIT遺伝子変異の内訳は、一次変異がエクソン9であったものが6腫瘍中2腫瘍(33%)、エクソン11であったものが4腫瘍(67%)であった。二次変異は4領域でエクソン17に、1領域でエクソン20に認められた。エクソン13の変異は分析可能であった細胞領域中には認められなかった。 本研究の結果は、微細な細胞領域ごとの遺伝子分析を行うには、ホルマリン固定後の臨床標本は材料に適さないことを示しており、今後は培養細胞などの生体材料をもちいた研究が必要と思われた。
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Research Products
(2 results)