2009 Fiscal Year Annual Research Report
食道癌化学療法耐性における骨髄由来細胞の機能解明とそれを標的とした治療開発
Project/Area Number |
21591698
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮田 博志 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (80362713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土岐 祐一郎 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20291445)
山崎 誠 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50444518)
勝原 義之 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (40314330)
瀧口 修司 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00301268)
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Keywords | 食道癌 / 骨髄由来細胞 / 化学療法 / 腫瘍間質 / 微小環境 |
Research Abstract |
(1)食道癌切除サンプルにおける骨髄由来細胞の評価 当科にて外科切除を行った食道癌切除サンプル(手術単独例20症例、術前化学療法例20症例)を用いて骨髄由来細胞マーカーの発現を免疫組織学的に評価した。CD11b、c-kit、VEGFR1、CD34の抗体を用いて免疫染色を行ったところ、VFGFR1とCD34は腫瘍間質での登現がほとんど見られなかった。CD11bとc-kitは腫瘍間質において発現が認められ、手術単独症例に比べて術前化学療法症例で発現が増強する傾向がみられた。現在、手術単独100例、術前化療100例まで症例を増やして解析を行っている。 (2)骨髄由来細胞と癌細胞の相互作用の解析 骨髄由来細胞が癌間質に浸潤することで上皮-間葉転換(EMT)を惹起し化学療法耐性を獲得することを証明するため、上記(1)のサンプルを用いてE-cadherin、Vimentin、snailの免疫染色を行った。化学療法後の癌組織では手術単独に比べてE-cadherinが減弱するのに対して、vimentinとsnailの発現は増強しており、化学療法後に遺残する腫瘍ではEMTが起こっている可能性が示唆された。今後、上記(1)における骨髄由来細胞の浸潤との関係を解析する予定である。 (3)化学療法前後の循環血液中の骨髄由来細胞の検出 化学療法前と化学療法後24時間の末梢血液を揉取し、骨髄由来細胞としてcirculating endothelial cell(CEC)とcirculating hematopoietic progenitor cell(CPC)の定量をflow cytometry(FACS)を用いて試みた。末梢血液20mlから単核球成分のみを抽出した後、CD31^<bright> CD34^+ CD45^-細胞をCECとし、CD133^+CD34^+ CD45^<dim>をCPCとしてFACSによる定量が可能であることを確認した。
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