2011 Fiscal Year Annual Research Report
HSP90阻害剤とヘパラナーゼ核内移行検出システムを応用した新規分子標的治療法
Project/Area Number |
21591700
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
山辻 知樹 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (40379730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猶本 良夫 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00237190)
深澤 拓也 川崎医科大学, 医学部, 講師 (20379845)
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Keywords | HSP90 / ヘパラナーゼ / 核内移行 / AUY922 / Akt |
Research Abstract |
本研究は、HSP90特異的阻害剤AUY922の消化器悪性腫瘍に対する効果とその機序を解明し、消化器悪性腫瘍の新規治療剤として臨床応用への道を拓くことを目的としている。 I.培養癌細胞に対するHSP90阻害剤AUY922の増殖抑制効果:ヒト食道癌培養細胞TE-1,TE-4,TE-8およびTE-10にAUY922を各種濃度で加えて、トリパンブルー染色にて細胞増殖曲線を得た。IC50は細胞株によって異なり、感受性に差があることが判明した。 II.AUY922による増殖抑制効果の分子生物学的機構の解明:AUY922で刺激したTE-1,TE-4,TE-8における各種タンパク質の発現を検索した。抗HSP90抗体にてHSP90の発現を確認したが、いずれの刺激時間においても発現量に変化を認めず。Akt及びリン酸化Akt抗体を用いて増殖シグナルに対する影響を調べたところ、TE-1およびTE-8でリン酸化Aktの抑制を認めた。また、TE-4においてPTENの明らかな発現低下が認められた。AUY922に対する感受性の差がPTENの発現によって制御されている可能性が判明した。 III.HSP90とヘパラナーゼ核内移行システム:上記培養細胞において抗HSP90抗体を用いて免疫沈降法を行ったところ、HSP90とヘパラナーゼが複合体を形成しており、HSP90とヘパラナーゼの核内移行の強い関係が示された。 IV.癌転移動物モデルにおけるHSP90阻害剤の抗腫瘍効果の検討:ヌードマウスを用いた癌腹膜播腫転移モデルに対し、AUY922の抗腫瘍効果を検討する準備を行っている。抗腫瘍効果の検討を通じて得られたHSP90阻害剤の適正用量・投与時間の設定を行う。 V.以上の研究成果をもとに、AUY922による細胞増殖抑制効果の分子生物学的機構について学会発表・誌上発表に向けて論文執筆を行っている。
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Research Products
(1 results)