2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591708
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
古畑 智久 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (80359992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西舘 敏彦 札幌医科大学, 医学部, 助教 (80404606)
木村 康利 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80311893)
沖田 憲司 札幌医科大学, 医学部, 助教 (70517911)
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Keywords | 大腸癌 / 間質細胞 / 血管新生 / VEGF / 繊維芽細胞 / マクロファージ / p73 |
Research Abstract |
平成21年、22年度の研究により、大腸癌細胞は血管新生促進作用を有するVEGF165を産生し、間質細胞は血管新生抑制作用を有するVEGF165bを産生することが明らかとなった。さらに、VEGF165bを産生する間質細胞を明らかにするために、VEGF165b抗体および各種抗体を用い、2重免疫染色を行ったところ、VEGF165bを産生する間質細胞は、マクロファージおよび繊維芽細胞であることが明らかとなった。平成23年度は、これまでの研究は外科切除標本の免疫染色によって明らかになったことをin vitroで再現し、さらに詳細な検討を加えることを目的とした。大腸癌細胞株と間質細胞の相互関係を調べるためにマクロファージのサロゲートとしてTHP-1、繊維芽細胞のそれとしてF9細胞を用いた。大腸癌細胞、THP-1、F9の単独培養、大腸癌細胞と間質細胞の共培養を行い、それぞれの細胞を採取、RNAを抽出し、間質細胞のVEGF-Aの発現解析を行ったところ、THP-1およびF9の両方でVEGF-Aの発現を認めたが、THP-1のほうが共培養による発現誘導効果が高く、さらに強発現していることが確認された。したがって、外科切除標本では、繊維芽細胞においてもVEGF165bの発現を認めたが、主たる発現細胞はマクロファージであることが示唆された。マクロファージの遊走を促進するケモカイントしてRANTES、MCP-1などが文献的に考えられるが、いずれも大腸癌においては予後不良因子との報告が多く、VEGF165bの発現誘導に関与する可能性が低いものと考えられた。そこで、大腸癌細胞株およびTHP-1を単独培養、共培養を行い、それぞれの細胞からRNA抽出し、網羅的遺伝子発現解析を行ったところ、大腸癌細胞株おいては、マクロファージのリクルートに関わる分子の発現上昇は認められなかったが、THP-1においてVEGF165b発現との関連が示唆されているTAp73の発現上昇を認めた。
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Research Products
(1 results)