2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591711
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
山下 継史 Kitasato University, 医学部, 助教 (70406932)
|
Keywords | 胃癌 / 予後因子 / HOP / ホメオボックス蛋白 / メチル化 / 定量 / 臨床病理学的因子 / 患者選択 |
Research Abstract |
われわれは胃癌特異的メチル化を示すHOP遺伝子を同定したが、その臨床病理学的解析をさらに進めバイオマーカーとしての可能性を示すことを本研究の最大の目標としている。目的としてstage IB症例のハイリスクマーカーとしての意義をあきらかにすることで術後補助化学療法の適応拡大を試みた。われわれは、進行胃癌155例のHOPメチル化のレベルを方法に記載したQ-MSP法を用いて詳細に検討しその結果、stage IB症例においてHOPメチル化は明らかな予後の差を示さず、補助化学療法の適応拡大という目的は達成されなかった。しかし、単変量、多変量予後解析で独立した予後因子になり(p=0.0003)、進行胃がんにおける再発予測因子として極めて重要である可能性が示されている。Microdissectionによるメチル化の解析で、HOPメチル化はheterogeneietyを示さないことが明らかになり、生検検体による術前診断の道が期待された。今後は、現在の標準治療(術後S1投与)例においても予後因子として使用できるか、あるいは今後胃癌治療で台頭してくるであろうneoadjuvant治療においてバイオマーカーとして使用できるかどうか詳細な検討をくわえていきたい。進行癌におけるメチル化の予後的意義と癌特異性を用いた癌の存在診断に関してはOoki et al, Oncogene, 2010に発表した。
|