2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591711
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
山下 継史 北里大学, 医学部, 助教 (70406932)
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Keywords | Stage I / 胃癌 / HOPX / メチル化 / 予後因子 / 患者選択 |
Research Abstract |
われわれは独自の方法(pharmacological unmasking microarray)を用いて食道扁平上皮癌におけるメチル化癌抑制遺伝子HOPXを同定していた(2008 Mol Cancer Res, Yamashita et al)。今回胃癌原発巣組織におけるメチル化レベルを詳細に解析しStage I胃癌におけるハイリスク患者の同定を目指した研究を展開した。癌では約80%の症例でHOPXメチル化が亢進しており、一方で正常粘膜ではメチル化がわずかに10%にしか認められずHOPXの胃癌におけるメチル化は癌組織特異的であることが明らかになった。研究当初、HOPXのメチル化レベルをカットオフ11.28で設定すると進行癌における予後因子になることから、Stage I進行胃癌の予後因子にならないか検討することとし症例を増やしてさらに検証を加えた。その結果、学習セットおよび検証セット(それぞれ170例づつ)において進行胃癌で予後因子になるもののStage I症例では予後因子にはならないことが明らかになった。この時点でPublication(2010 Oncogene,Ooki et al.)しているが、Stage I患者の選択マーカーとしての戦略変更を考慮せねばならにと考えている。原発巣のメチル化レベルに関してはStage II以降の症例の予後因子として検討を進める一方で、Stage I症例に関する予後因子としてはリンパ節微小転移や血中メチル化同定などの可能性を探り予後因子としての検討に変更する予定である。
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