2011 Fiscal Year Annual Research Report
食道癌におけるケモカインネットワークを標的とした新しい癌治療法の開発
Project/Area Number |
21591712
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
竹内 裕也 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20265838)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 雄光 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (20204878)
入野 誠之 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (20445216)
西 知彦 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (70445386)
|
Keywords | 食道扁平上皮癌 / ケモカインレセプター / CCR7 / CXCR4 / CCL12 / CXCL21 |
Research Abstract |
1)ヒト食道癌細胞株(10種)におけるケモカインレセプターの発現の検討したところケモカインレセプターCCR7の発現を確認した。さらに細胞遊走の機能的解析を行ったところCCR7を発現する細胞株は対応するケモカインCCL21の投与により濃度依存性に遊走活性を示し、かつ抗ケモカインレセプター抗体により遊走は有意に阻害された。論文投稿中 2)105例の食道癌切除検体に対してCCR7の免疫組織染色を行ったところ、CCR7陽性例26例(27%)はリンパ節転移と有意に相関し、術後5年生存率は有意に不良であった。また別のpT1の切除症例61検体においてもCCR7陽性例はリンパ節転移と相関する予後不良因子であり、EMR/ESD後の追加治療の是非を決定する上で有用なマーカーとなることが明らかとなった。論文投稿中 3)食道扁平上皮癌細胞株(TE4)にCCR7発現ベクターを導入し、CCR7強発現TE4株を作成した。CCR7強発現TE4は通常のTE4に比べてケモカインCCL21の添加により、リンパ管上皮との接着能が有意に亢進した。また食道癌センチネルリンパ節転移モデル(ヌードマウス)を作成して転移能を観察したところ、通常のTE4に比べてCCR7強発現TE4は有意に早期からリンパ節転移が生じることが明らかとなった。論文投稿中 4)食道扁平上皮癌切除検体におけるケモカインレセプターCXCR4陽性例は予後不良傾向であり、とくに遠隔臓器再発と関係する傾向を認めた。一方食道扁平上皮癌細胞株,食道癌切除検体ともにケモカインCXCL12を発現しており、食道癌切除検体におけるCXCL12陽性例は有意に予後不良であった。食道扁平上皮癌細胞株においてCXCR4発現株、CXCL12発現株を作製し、増殖速度を検討したところ、CXCL12とCXCR4は食道癌において双方が発現してautocrieにより悪性度を獲得している可能性が示唆された。 5)食道扁平上皮癌細胞株においてCXCR4発現株、CXCL12発現株で抗HIV治療薬であるAMD3100投与により細胞増殖が抑制された。
|
Research Products
(2 results)