2009 Fiscal Year Annual Research Report
多種抗原を同時標的とする食道癌血清抗体バイオマーカーの研究
Project/Area Number |
21591717
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
島田 英昭 Toho University, 医学部, 教授 (20292691)
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Keywords | SEREX / VEGF / p53 / ELISA / 食道癌 / 血清抗体 / 腫瘍マーカー |
Research Abstract |
(1)本研究課題であるVEGFに関して、始めに標的抗原を調整する目的でVEGFのcDNAの塩基配列をアミノ酸配列に変換し、MHCPredウェブサイト(http://www.jenner.ac.uk/MHCPred/)を用いてクラスII抗原部位を検索し、その領域を含むペプチドを人工合成した。 (2)アミノ末端にビオチンを付加しておき、予めアビジンを固相化したプレートを用いて合成ペプチドを特異的に結合させ、洗浄後に血清抗体と反応させ、ペルオキシダーゼ標識抗ヒトIgG抗体を用いて血清抗体レベルを測定する(ELISA)キットを試作した。 (3)健常者血清におけるELISA測定レベルの平均値+2SDを基準値として、基準値を上回る症例を陽性判定することとした。 (4)病理診断にて食道扁平上皮癌との診断が確定した食道癌患者について、文書により臨床研究の同意を得て解析に用いた。また、文書により了解を得た健常者の血清をコントロールとして用いた。 (5)本ELISA検査にて、陽性と診断される食道癌患者は、10%前後であった。 (6)健常者は、癌検診において固形癌を有していないと診断された100名である。偽陽性率は、2%前後であった。 (7)本ELISA検査による陽性症例と既存の腫瘍マーカー検査による陽性症例との重複は少なく、両者を併用することで陽性率を向上させることが可能と判断された。 (8)抗体価が低い症例において、基準値前後の抗体をより正確に検出できる条件設定を行った。
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Research Products
(3 results)