2009 Fiscal Year Annual Research Report
5-FU耐性株を用いた耐性関連遺伝子の同定および耐性克服の臨床応用
Project/Area Number |
21591722
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
奥村 直樹 Gifu University, 医学部附属病院, 助教 (80422715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 和弘 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50230727)
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Keywords | 5FU / Paclitaxel / 耐性 / P-glycoprotein / OPRT / Verapamil |
Research Abstract |
5FUに1年間暴露することによって樹立した胃癌細胞株MKN45/F2Rについて検討した。MTT assayにて、5FUに対するIC50は親株MKN45ではIC50 1.71μMであったのに対して、耐性株MKN45/F2RではIC50 82.6μMと48倍の耐性を認めた。MKN45/F2Rでは、5FUのみならずPaclitaxel(PTX)にも600倍抵抗性(IC50:0.227nM→137nM)を示した。またMKN45と比べ、PI3K-Akt経路でAktおよび下流のmTOR活性の明らかな低下がみられ、細胞内薬物排出ポンプP-glycoprotein(P-gp)の発現増強を認めた。P-gp拮抗剤であるVerapamilはPTX IC50を0.131nMと耐性失効したが、5FU IC50には44.7μMと軽減のみであった5FU代謝関連酵素であるOPRTは蛋白量、RNA量とも発現が低下していたが、TSとDPDには差がなかった。MKN45のOPRT発現をsiRNAにて抑制するとIC50:52.6μMとなり耐性が再現された。ヒト胃癌細胞における5FU耐性の機序にはOPRTが重要な役割を担っており、生存シグナルPI3K-Akt経路への依存がない状況であることが推察された。PTXへの耐性は薬物排出ポンプが必要である一方で、5FUへの耐性にはさらなる因子の関与が示唆され今後の検討していく予定である。また、網羅的遺伝子発現解析を行うべく、MKN45およびMKN45/F2RよりRNAを抽出し、cDNA micro arrayを現在行っている。
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