2010 Fiscal Year Annual Research Report
化学放射線療法後の直腸癌遠隔転移誘導メカニズムの解明
Project/Area Number |
21591723
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
井上 靖浩 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (20324535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠 正人 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50192026)
三木 誓雄 三重大学, 大学院・医学系研究科, 客員教授 (50242962)
問山 裕二 三重大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (00422824)
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Keywords | 直腸癌 / 放射線療法 / 遠隔転移 |
Research Abstract |
平成22年度は、術前化学放射線療法後の直腸癌における遠隔転移誘発因子を臨床サンプルを用いて検索した。最近癌の増殖、血管新生、遠隔転移にかかわるとして注目されているケモカインに着目し、臨床サンプルを癌・間質にマイクロダイセクションしたうえで、ケモカインCXCL12およびレセプターであるCXCR4の発現と予後を検討した。直腸癌化学放射線療法後の遠隔転移再発、無増悪生存にはCXCL12、CXCR4遺伝子の高発現が関与していることが示され、その詳細を報告した(Ann Surg Oncol 2010)。また平成21年度に大腸癌幹細胞マーカーの一つであるCD133発現が、直腸癌化学放射線療法後の遠隔転移再発に関与する可能性を見出したが、続いて臨床検体での免疫染色を行い、CD133蛋白発現が、luminal surface,cytoplasma,intraluminal cellsの関係で4パターンに存在し、発現部位が病理組織学的効果と関連することを報告した(Oncol Rep 2010)。様々な腫瘍・間質関連因子が、直腸癌化学放射線療法後の予後に関わるとする仮説から、この他にも主にCancer-associated fibroblast(CAFs)由来であるとされる間質由来のケモカインCXCL12は、EMT(上皮間葉移行)とも関連し、直腸癌化学放射線療法後の再発と関連する結果を得ており更なる解析を進めている。同時に放射線照射そのものが大腸癌細胞においてEMT誘導関連遺伝子をup-regulateする可能性をin vitroの実験で証明し、臨床サンプルでの検証も行っている。
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Research Products
(4 results)