2010 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌における癌幹細胞様遊離癌細胞検出による再発予測診断と臨床応用
Project/Area Number |
21591734
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
飯沼 久恵 帝京大学, 医学部, 講師 (30147102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 聡明 帝京大学, 医学部, 教授 (80210920)
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Keywords | 大腸癌 / 転移予測 / 予後予測 / 遺伝子診断 |
Research Abstract |
消化器癌における血中の循環癌細胞(Circulating tumor cells : CTC)および腹腔内遊離癌細胞(Isolated tumor cells : ITC)は、新たな再発および予後予測因子として注目されている。さらに近年、悪性度の高いことで知られている癌幹細胞が、転移・再発において重用であることが報告され、CTCおよびICTとの関連性が注目されている。我々は、従来の大腸癌や胃癌のマーカーであるCEA、CK19、CK20に癌幹細胞マーカー(CD133、CD44)を加え、大腸癌および胃癌の再発および予後予測マーカーとしての有用性を検討した。まず、大腸癌735例を対象に、CEA, CK19, CK20, CD133といったmultipleな遺伝子マーカーを用い、血液中のCTCが再発および予後予測因子として有用なマーカーであるかどうかを検討した。その結果、これらのマーカーは独立した再発および予後予測因子であることが明らかとなった。さらに、癌のステージ別に検討したところ、これらの遺伝子マーカーによって検出されたCTCは、Dukes stage BとCにおいて、有意な再発および予後予測因子であることが判明した。次に、胃癌症例を対象に、腹腔内ITCの腹膜再発因子としての有用性を、CEA, CK20、CD44といったmultipleな遺伝子マーカーを用いて検討した。その結果、これらのマーカーによって認識されるITCは、独立した腹膜再発因子および予後予測因子であることが明らかとなった。 また、進行大腸癌40例を対象に、分子標的薬と化学療法剤の併用療法における、治療効果予測因子としての血液中CTCの意義を検討した。BevacizumabとFOLFOX6の治療前と治療後のCTCを比較したところ、治療効果の認められた症例は、治療効果の認められなかった症例に比較し、CTCの数に低下することが判明した。現在、さらに症例数を加え、治療効果予測マーカーとしての有用性を検討している。
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Research Products
(25 results)