2011 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌肝転移に対する合理的集学的治療体系の確立に関する基礎研究
Project/Area Number |
21591742
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
袴田 健一 弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30271802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊木 嘉一 弘前大学, 大学院・医学研究科, 講師 (70301025)
石戸 圭之輔 弘前大学, 大学院・医学研究科, 助教 (00436023)
工藤 大輔 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (00587024)
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Keywords | 大腸癌肝転移 / 化学療法後肝障害 / アニオントランスポーター / 肝切除 / イリノテカン / 類洞拡張 / 脂肪肝炎 |
Research Abstract |
大腸癌肝転移に対する集学的治療体系を確立するため、1)化学療法後肝障害の機序に関する基礎研究、2)肝再生時の有機アニオントランスポーター発現変化、3)大腸癌肝転移の至適診断法、4)化学療法後肝障害の予測診断、に関する研究をおこなった。 肝切除後肝再生時の有機アニオントランスポーター発現に関する基礎研究では、SDラット90%肝切除モデルを用いて類洞側細胞膜のMrp4発現増強、Ntcpの類洞側細胞膜から細胞質内への移行を認め、肝再生時の胆汁酸値上昇の機序の一つと推定された。さらに、化学療法後肝障害の機序に関する基礎研究では、SDラットに100mg/kgのイリノテカンを4回/週、3週の腹腔内投与によるイリノテカン投与肝障害モデルを確立し、各種有機アニオントランスポーター発現の遺伝子学的検討を行った。現在マイクロアレイの結果をもとに最終解析を行っている。 一方、臨床例による研究では、化学療法後肝切除症例の肝病理診断(脂肪肝、脂肪肝炎、類洞拡張)と術前臨床指標との相関を検討した。結果、ICG値などの各種予備能スコア、アシアロシンチなどとの相関は見られなかったが、脾腫との相関が確認され、術前診断の可能性が示唆された。 さらに、化学療法後肝転移病変の正確な局在診断を目指して、Sonazoid造影術中超音波を導入し、各種診断法と比較検討した。ともに95%以上の感度とほぼ100%の陽性的中率で、従来の診断法より10%以上も改善され、大腸癌肝転移治療の適正化を図る上で、有用な検査であると結論づけた
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Research Products
(11 results)