2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591747
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
伊佐地 秀司 Mie University, 大学院・医学系研究科, 教授 (70176121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田端 正己 三重大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90291418)
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Keywords | 肝虚血再潅流 / 過少グラフト / 免疫応答 |
Research Abstract |
本研究は通常では適応外となる過少グラフト移植後の虚血再潅流障害や類洞内皮障害などの基礎的な問題を解決し,いかにしてこれらの障害を軽減するかを目的としている.平成21年度は、肝虚血再潅流(IRI)の発生機序における脾臓の新しい役割を明らかにするためにラット70%肝虚血再潅流モデルを用いた動物実験を行った。結果:IRI前に脾摘(SPN)を施行したSPN+IRI群では脾摘を行わないIRI alone群に比し肝機能や組織所見において有意に改善されていた.障害肝へ浸潤細胞は免疫染色でマクロファージのみが優位に抑制されていた(6h:2.2±1.6/HPF vs.8.0±2.4/HPF,p<0.001 24h:2.16±1.48/HPF vs.24.8±16.8/HPF,p<0.05).さらにSPN+IRI群の肝組織においてTh-2系抗炎症性サイトカインマーカーであるIL-10のmRNAがIRI alone群に比し著増しており、また門脈中のIL-10濃度も上昇していた(6h:157±173pg/ml vs.37.1±22.2pg/ml,p<0.05).一方IRI alone群では、Th1系サイトカインでマクロファージ活性因子であるIL-2の門脈中濃度が著増し、脾臓でIL-2のmRNAの発現が亢進していた.結語:肝臓が虚血され再度灌流されると脾臓がTh1優位の免疫応答し、肝臓におけるマクロファージを活性化し臓器障害を引き起こしていた。一方、虚血前に摘脾術を行うことによりこのTh1誘導免疫応答が脾臓で引き起こされず結果として肝臓内はTh2優位となりマクロファージの活性化が抑制され,臓器障害が軽減されると考えられた。
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Research Products
(3 results)