2010 Fiscal Year Annual Research Report
希少糖の肝臓虚血再灌流障害保護作用及び肝切除後の再生促進効果の解析
Project/Area Number |
21591751
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
M・A HOSSAIN 香川大学, 医学部, 研究員 (20294754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳田 雅明 香川大学, 医学部, 教授 (10163974)
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Keywords | D-allose / D-psicose / oxidative stress / Type 2 diabetes / Insulin resistance / Adiposity |
Research Abstract |
平成21年度には、希少糖D-アロースの肝臓虚血再灌流障害保護作用及び肝切除後の再生促進効果が示されたので、平成22年度は、抗酸化作用とともに、糖代謝と脂質代謝にユニークな制御作用を有する希少糖D-プシコースについて、肝臓虚血再灌流障害保護作用の検証を行うとともに、2型糖尿病モデルラットOLETFを用いた研究を行った。肝臓虚血再灌流障害保護作用はD-アロースに比べて低いことが判り、本用途での使用には適さないことが判った。一方OLETFに5%D-プシコースを含む飲水を13週間にわたり投与し、非投与群と比較した。D-プシコースは体重と体脂肪の蓄積を有意に抑制した。実験経過中に実施した経口ブドウ糖負荷試験では、血糖およびインスリンのレベルが各測定ポイントで低下しており、これはD-プシコースが糖尿病状態におけるインスリン抵抗性を改善していることを示唆していた。肝臓においても、D-プシコースは脂肪の蓄積とグルコキナーゼの核から細胞質への移行が促進されるとともに、抗酸化状態の改善が認められた。これについて急ぎ論文化を行った。D-プシコースは膵臓においてもインスリン分泌に関与するβ細胞の保護作用があることがわかった。これも抗酸化作用に基づく可能性が示唆されている。D-アロースにD-プシコースを併用することで、D-アロースの効果をより強く、また広範囲に高めることができる可能性を発見したことは意義が大きい。
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Research Products
(3 results)