2011 Fiscal Year Annual Research Report
希少糖の肝臓虚血再灌流障害保護作用及び肝切除後の再生促進効果の解析
Project/Area Number |
21591751
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
M・A Hossain 香川大学, 希少糖研究センター, 研究員 (20294754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳田 雅明 香川大学, 医学部, 教授 (10163974)
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Keywords | D-allose / Rat liver / Ischemia reperfusion & resection / Mircocirculation / D-psicose / Type 2 diabetes / OLETF rats / Insulin resistance / 双方〓〓 |
Research Abstract |
我々は2つの実験系で2種類の希少糖(D-プシコースおよびD-アロース)を用いて以下の研究を行った。 1)まずD-アロースの抗酸化作用を活用し、90%切除肝臓での虚血再還流障害への保護効果を解析した。虚血再還流により肝臓障害が起こり、切除肝における虚血状態を悪化しそれが残存肝の再生を遅らせる。200mg/kgのD-アロースの血管内投与により、残存肝の活性酸素の発生を抑え、また白血球により発生するmyeloperoxidaseを押さえることでmicrocirculationを約60%程度改善することにより、残存肝の障害を軽減し回復を促進することが明かになった。またD-アロースはBrdUを用いた解析でDNA合成を12時間後から48時間後まで促進すること、PCNA,Cyclin EよびCdk2の解析によりこれらを有意に活性化していることが判り、残存肝の肝細胞の増殖能力を高め再生に有効であることが明らかとなった。 2)我々は肝臓などの臓器において虚血障害の悪化原因となる動脈硬化性の病変にD-プシコースがどのような影響があるかを検証した。D-プシコースはラットにおいて血糖値の上昇を抑え、動脈硬化を抑制し、脂肪の蓄積を抑制することが判った。そしてこの効果は糖尿病ラットにおいても認められた。D-プシコースは高血糖により起こる膵臓の変性を阻止することが判った。虚血再還流による肝臓障害への有効性が示唆される結果となった。 以上より、希少糖D-アロースやD-プシコースが、肝臓虚血再灌流障害保護作用及び肝切除後の再生促進効果に有効であることが示された。
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Research Products
(5 results)