2010 Fiscal Year Annual Research Report
門脈塞栓術後の機能的肝再生における胆汁酸の意義と臨床応用
Project/Area Number |
21591757
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
別府 透 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 准教授 (70301372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀野 敬 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (60452900)
馬場 秀夫 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 教授 (20240905)
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Keywords | 門脈塞栓術 / 肝再生 / 胆汁外瘻 / 胆汁酸 / 肝細胞増殖因子(HGF) / 増殖因子 / 肝切除 |
Research Abstract |
【目的】われわれはヒトにおいて門脈塞栓術後の肝再生と血中胆汁酸濃度や増殖因子(HGF、TGF-β)が肝再生や肝萎縮に関与することを見いだした。肝切除術後の肝不全は重篤な合併症であり、時に術死の原因となる。従って術後肝再生の程度を知ることは重要である。今回、血清胆汁酸値を測定し、CT Volumetryによる肝臓の再生量と比較することで血清胆汁酸値が肝再生の度合いに対する予測因子として用いることができるかどうかを検討した。【対象】2009年6月までに当科で右肝または左肝切除(Hr2 or Hr2+)を施行した52例。術後にCystic duct tube (C-tube)を留置した群(30例)としなかった群(22例)で検討を行った。【結果】1.術後3日目の血清胆汁酸濃度をみると外瘻化した群では2.2±4.0μmol/Lに対して外瘻化しなかった群では平均12.4±13.1μmol/Lと外瘻化しなかった群で有意(p<0.01)に高値であった。2.肝再生を一週間後のCT Volumetryを用いた肝容積の増大量でみると、外瘻化した群で平均39mLに対して外瘻化しなかった群では129mLと、外瘻化をしなかった群において肝再生率が有意に高値(p<0.05)であった。3.肝再生を一週間後のCT Volumetryを用いた肝容積の増大量でみると、外瘻化した群で平均39mLに対して外瘻化しなかった群では129mLと、外瘻化をしなかった群において肝再生率が有意に高値(p<0.05)であった。【重要性と意義】肝切除術後に外瘻化を行わなかった群において、より肝再生が良好であった。術後早期の肝再生の予測因子として血清胆汁酸濃度が有用であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)