2009 Fiscal Year Annual Research Report
エイジングによる肝再生能の変化と肝幹細胞の役割-肝移植の知見に基づく基礎的検討
Project/Area Number |
21591763
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
河地 茂行 Keio University, 医学部, 講師 (80234079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
涌井 昌俊 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90240465)
林田 哲 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (80327543)
小野 嘉大 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (20445381)
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Keywords | エイジング / 肝再生 / 肝幹組胞 / 生体肝移植 / Thy-1 |
Research Abstract |
当院における生体肝移植において、ドナー年齢が若いレシピエントの方が予後がよいとの結果を受け、肝再生能力に年齢が関与しているのではないかと考えた。そこで、実際に当院で行われたドナー手術において、術後1週間・1ヵ月後の肝再生能力を検討したところ、若年肝で有意に肝肥大率が高いとの結果が出た。この肝肥大率の差は、右葉graft、すなわち残肝volumeが小さい方がより顕著となる傾向があった。我々は、この年齢による肝肥大率の差について、肝前駆細胞とされるCD90(Thy-1)陽性細胞が関与しているかを検討している。 ヒトの肝組織検体(過去の生体肝移植ドナーO-biopsy検体)のうち、30歳以下10検体と50歳以上10検体において、抗Thy-1抗体による免疫組織染色を施行、さらにCK19などの胆管系マーカーにおいても免疫染色を追加し、Thy-1陽性細胞の局在および年齢による存在頻度を検討した。Thy-1陽性となる細胞は門脈域に局在していたが、その数に関してはっきりとした年齢による相関を認めなかった。 また、生体肝移植ドナー肝のO-biopsy検体または、転移性肝腫瘍の正常肝組織の一部を患者の同意のもと採取し(倫理委員会承認済み)、mince後collagenaseによる消化・分解を行い、その後、実質細胞と非実質細胞に遠心分離する。非実質細胞の細胞数をcountし、非実質細胞中に存在するとされるThy-1陽性細胞をMACS(magnetic activated cell sorting)にて識別・分離し、年齢別に割合を検討している。現在20例ほどの症例において、Thy-1陽性細胞の割合を検討したが、有意差を認めないも高齢になるにつれてThy-1陽性細胞の割合が低下する傾向を認めている。
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Research Products
(2 results)