2009 Fiscal Year Annual Research Report
胆管細胞癌に対する新生血管・リンパ管および腫瘍内間質を標的とした分子治療研究
Project/Area Number |
21591765
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
平野 公通 Hyogo College of Medicine, 医学部, 講師 (90340968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇山 直樹 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (70402873)
佐竹 真 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (70399153)
飯室 勇二 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (30252018)
藤元 治朗 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90199373)
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Keywords | CCC / ケモカイン / 分子治療 / 新生血管抑制 |
Research Abstract |
肝内胆管癌(以下CCC)の病因には炎症の関与が報告されている。癌の増殖、進展に新生腫瘍血管が必要である一方、CCCは乏血性腫瘍であり、その増殖、進展に血管新生因子以外の関与が予想される。近年、ケモカインが、成因に炎症が関与する癌の増殖、進展に重要な働きをしていることが報告されている。そこでCCCの増殖、浸潤に対するケモカインの関与を解析することを目的とし、本年度は当科で切除されたCCC症例について、ELR配列を有するCXCL8、CXCL5およびこれらの共通のレセプターであるCXCR2の免疫染色を行い、臨床病理学的パラメーターとの関係を検討した。30症例の免疫染色の結果はCXCR2で腫瘍部64.2%非腫瘍部43.9%の平均陽性率でありP値<0.01と有意差を認めた。CXCL8も非腫瘍部17.9%に対して腫瘍部33.2%と濃染傾向がありP値<0.01で有意差を認めたが、CXCL5は腫瘍部20.9%非腫瘍部26.5%で有意差は認めず、CXCR2およびCXCL8は腫瘍部において強く染まる傾向にあった。臨床病理学的パラメーターとの関係では集団を1年以上生存(41.3%)と1年未満生存(58.7%)に分けた場合、1年未満生存群でCXCR2は71.2%と高い濃染傾向を認めた(P値<0.01)。CXCL8およびCXCL5では生存期間での有意差は認めなかった。また門脈浸潤群ではCXCR2が70.2%と高い濃染傾向があり、門脈非浸潤群の54.2%と比べP値<0.01と有意差を認めた。静脈浸潤およびリンパ節転移ではいずれも有意差は認めなかった。1年未満生存症例および門浸潤症例でCXCR2の濃染傾向がありCCCの増殖、進展にケモカインが何らかの関与している可能性が示唆された。
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