2010 Fiscal Year Annual Research Report
急性膵炎後の膵再生機構の解明ー膵転写因子ptf1aに着目してー
Project/Area Number |
21591771
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増井 俊彦 京都大学, 医学研究科, 非常勤講師 (20452352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 隆一郎 京都大学, 医学研究科, 非常勤講師 (20301236)
川口 義弥 京都大学, 医学研究科, 講師 (60359792)
児玉 創太 京都大学, 医学研究科, 医員 (10583875)
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Keywords | 膵再生 / ptfla / 膵発生 / 膵炎 |
Research Abstract |
本研究の目的は、膵外分泌組織の障害後再生過程における胎生期臓器形成機構の意義を問うことである。具体的には(1)膵形成に必須であり、(2)発現量の違いによるフェノタイプ(膵臓のサイズ・内分泌/外分泌細胞分化の違い・出生後に糖尿病を発症することなど)、(3)転写因子としての機能発揮にかかわるcounterpartが発生過程で変化することを我々のグループが報告してきた遺伝子ptflaに着目し、Cerulein誘発急性膵炎モデルを用いて傷害後の再生過程にptflaがどのように働いているかを明らかにすることを目指す。当初の計画であったptfla低発現マウスを用いた検討では、マウス自体がCerulein刺激によってほとんど死亡してしまった為、成体マウスでinducibleにptflaを不活化する実験が必要と考えた。これまで、成体膵外分泌組織は既存細胞の自己複製で維持されているとの報告があったが、我々は成体膵腺房細胞がSox9陽性膵管細胞から生理的条件下でもCerulein誘発急性膵炎後の膵再生過程においても持続的な供給を受けていることが明らかにした(Furuyama et al. Nat. Genet. 2011)。今後はSox9-CreERT2マウスとfloxed ptflaマウスを交配し、Cerulein誘発急性膵炎モデルを組み合わせることによって組織障害後の再生過程におけるptflaの機能を明らかにする方針である。また、膵外分泌発生過程における転写活性発揮のためのptfla counterpartの変化を報告した(Masui et al. Gastroenterology 2010)。成体膵障害後の再生過程において胎生期のようなptfla counterpartの変化が再現されるか否かについても上記マウスを使って解析する計画である。
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