2011 Fiscal Year Annual Research Report
良性胆管狭窄治療を目的とした新規生体吸収性胆道ステントの開発
Project/Area Number |
21591781
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
宮澤 光男 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (20200165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 勇 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60178390)
合川 公康 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (20438823)
岡田 克也 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (60364775)
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Keywords | 胆管狭窄 / 胆管再生 / 生体吸収性ステント / 胆道ステント |
Research Abstract |
現在、肝胆膵領域の手術においては、胆管-胆管、胆管-腸、膵管-腸吻合部にチューブ状のステント(TS)を挿入する場合がある。このステントの役割としては、吻合部の形状を保持する(吻合部の狭窄、変形を予防)、吻合部にかかる圧を除く(吻合部の縫合不全予防)、等が考慮されているが、どのような太さ、硬さ、形状、長さのステントが適当か、等不明な点が多い。さらに、ステント挿入後、何をエンドポイントとしてステントを抜去するか、その留置期間も不明確である。我々は、現行のTSにおいては、胆管吻合部に「良好な胆管再生過程」が誘導できない場合があり、術後、胆管-腸吻合部狭窄、等の胆管合併症が生じると考えて、自己拡張型の生体吸収性胆道ステント(BAS)を開発している。今回は、我々の開発しているBASと従来のTSとで狭窄部治療後の組織再生の相違を比較し、ステントの役割を検討した。(対象と方法)雑種ブタを全身麻酔下開腹、肝外胆管を同定し、フアーター乳頭部より約1cm肝側胆管を糸にて結紮。1週後、再開腹し、胆管結紮糸を解放した。十二指腸を切開し、狭窄した胆管部分に、フアーター乳頭を確認しながら、ポリグリコール酸製ステント(拡張時直径5mm)(BAS)を挿入した。シリコン性TSも同様に挿入した。ステント挿入3か月後、狭窄部を組織学的に検討した。(結果)3か月後BASは狭窄部には存在せず、また狭窄部は他の部位の肝外胆管と差異は認められなかった。組織学的には、狭窄部は良好な上皮再生がおこり、血液生化学的にもすべてのブタで胆道系酵素の上昇は認められなかった。TSは狭窄部に存在し、組織学的に胆管狭窄部には上皮再生は認められなかった。(結語と考察)胆管狭窄部に「良好な胆管再生」を誘導するためにはTSと比較しBASが優位であり、また吻合部狭窄予防のためのステントは2週間程度の挿入が必要十分であると考えられた。
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Research Products
(2 results)