2010 Fiscal Year Annual Research Report
肝内胆管癌におけるマイクロRNAの役割解明とバイオマーカー開発のための分子基盤
Project/Area Number |
21591784
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
石川 朋子 日本医科大学, 医学部, 助教 (70212850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 寛 日本医科大学, 医学部, 准教授 (60246999)
菊池 邦生 日本医科大学, 医学部, 助教 (70374676)
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Keywords | 外科学 / 肝胆道 / 胆管癌 / microRNA |
Research Abstract |
我々が新たに見出した胆管上皮特異的microRNA(miRNA)の転写後翻訳調節が肝胆道系疾患(肝内胆管癌、閉塞性黄疸等)関連シグナル伝達経路にどのように関わるのか、機能解析を目指すとともに、miRNAの切り口から肝内胆管系疾患の分子病態の解明と診断のための新規バイオマーカー開発のための基盤研究を目的に研究を行った。1)胆管上皮細胞特異的miRNAの標的mRNAの検証:胆管上皮細胞特異的miRNAの標的mRNAの3'-非翻訳領域、さらには3'-非翻訳領域中に存在する標的配列を改変した変異を含むレポータープラスミドを構築し、当該miRNAとともにCOS-7等に導入・培養後、ルシフェラーゼ活性を測定した。ルシフェラーゼアッセイにより、受容体チロシンキナーゼ関連分子である成長因子受容体結合蛋白質が標的分子であることを証明した。2)miRNA機能解析:胆管上皮細胞特異的miRNAは正常胆管上皮細胞では特異的に発現しているが、肝内胆管癌細胞株(HuCCT1)では発現していない。そこで、HuCCT1細胞に特異的miRNAを過剰発現させ、運動能、増殖能、アポトーシスの解析を行った。トランズウェルを用いた運動能の解析を開始した。過剰発現後にウェル下面に移動した細胞数をカウントすると、胆管上皮細胞特異的miRNAを過剰発現させたHuCCT1細胞では移動した細胞が有意に減少すること見出した。このことは、肝内胆管癌細胞では胆管上皮細胞特異的miRNAの発現が抑制されることで成長因子受容体結合蛋白質の発現抑制が解除され、その発現が上昇し、成長因子からチロシンキナーゼ型受容体を介した下流のシグナル伝達が増強された結果、肝内胆管癌の細胞運動能が向上することが示唆された。現在、詳細な機能解析を継続している。
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Research Products
(5 results)