2011 Fiscal Year Annual Research Report
原発性肺癌に対するNKT細胞免疫系を用いた免疫細胞療法に関する研究
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21591808
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
本橋 新一郎 千葉大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (60345022)
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Keywords | NKT細胞 / 免疫細胞治療 / 肺癌 |
Research Abstract |
気管支鏡下に得られた肺癌原発巣および転移リンパ節サンプルの解析 千葉大学胸部外科にて世界に先駆けて開発された気管支超音波内視鏡を用いた肺癌症例の縦隔・肺門リンパ節サンプリングにより、これまでの腫瘍生検鉗子による肺内腫瘍のサンプリングと共に用いることで、手術を施行しなくても安全に腫瘍およびリンパ節から検体が採取可能となった。進行期肺癌に施行された気管支鏡下で採取されたリンパ節および腫瘍検体を用いて、NKT細胞免疫系の機能解析(NKT細胞の局在やサイトカイン産生能の検討)を行った。また腫瘍局所および肺癌所属リンパ節である縦隔・肺門リンパ節に直接免疫細胞を投与することで、局所免疫系の活性化を効率良くかつ強力に誘導し、肺癌に対する抗腫瘍効果を惹起できる可能があることから、免疫細胞の腫瘍内および縦隔・肺門リンパ節内直接投与法の基礎的検討およびその臨床応用として、NKT細胞免疫療法の気管支鏡下投与を行った。その結果、進行肺癌の原発巣や転移リンパ節では非常に高いTGF-βのmRNAレベルの発現を認め、気管支鏡による局所免疫治療によって、治療局所でのリンパ球の集積とIFN-γ産生の増強を認めた症例が確認できた。それとともに、全身の免疫反応として末梢血単核球でのIFN-γ産生能の増強を認めた症例を確認した。これらの治療特異的免疫反応が認められた症例では抗腫瘍効果が得られている可能性があり、一部の症例では明らかな腫瘍縮小効果や腫瘍増大の抑制も認めている。今後これらの免疫反応が患者の全生存期間の延長効果にどの程度反映されていくか、以前に行った全身投与の免疫治療とも比較しながら、確認していくことが必要である。
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Research Products
(20 results)