2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591829
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
宗 哲哉 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 医学部, 助教 (90412642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安元 公正 産業医科大学, 医学部, 教授 (30150452)
花桐 武志 産業医科大学, 医学部, 准教授 (30299614)
竹之山 光広 産業医科大学, 医学部, 講師 (10309966)
馬場 哲郎 産業医科大学, 医学部, 助教 (10506348)
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Keywords | 悪性胸膜中皮腫 / 細胞性免疫 / 液性免疫 / 細胞障害性Tリンパ球(CTL) / 腫瘍細胞株 / cDNA発現スクリーニング法 / modified SEREX法 / SCIDマウス血清中ヒト型IgG |
Research Abstract |
本研究は悪性胸膜中皮腫患者生体内における抗腫瘍免疫応答を細胞性・液性免疫両面から解析し新規腫瘍抗原を同定してその機能や発現、抗腫瘍活性を確認することにより、予後不良で今後症例数の増加が予想される悪性胸膜中皮腫に対する新規治療法として特異的免疫療法を確立することを目的とする。本研究を遂行するため、これまでに悪性胸膜中皮腫2症例(L324症例、K921症例)より腫瘍細胞株(L324MSO、K921MSO)を樹立し、自己リンパ球を分離保存している。細胞性免疫側からのアプローチとして、K921症例では自己腫瘍特異的細胞障害性Tリンパ球(CTL)をすでに誘導し、さらにCTLクローンを樹立中である。またL324症例では現在CTLを誘導中である。さらに新たに悪性胸膜中皮腫N407症例からも腫瘍細胞株N407MSOを樹立し自己リンパ球を分離保存できたため、こちらもCTLを誘導中である。CTLクローンが樹立でき次第、cDNA発現スクリーニング法によりCTLに認識される新規腫瘍抗原を同定する。一方、これら3症例では腫瘍組織-悪性胸膜中皮腫組織を移植したSCIDマウス血清のセットも所有している。液性免疫側からのアプローチとして、当科で考案したmodified SEREX法(プローべ:SCIDマウス血清中ヒト型IgG、cDNAファージライブラリー:腫瘍細胞株mRNAより作成)により、抗体に認識される新規腫瘍抗原を同定する。これまでに3症例全てでSCIDマウス血清中のヒト型IgGを測定しプローべとなりうることを確認し、またcDNAファージライブラリーを作成するために腫瘍細胞株のペレット作成を終了している。cDNAファージライブラリー作成後、modified SEREX法で新規腫瘍抗原を同定し抗腫瘍活性の確認および発現・機能解析を行うことで、特異的免疫療法の標的となりうる抗原を選定する。
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