2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591829
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
宗 哲哉 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (90412642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花桐 武志 産業医科大学, 医学部, 准教授 (30299614)
竹之山 光広 産業医科大学, 医学部, 非常勤講師 (10309966)
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Keywords | 悪性胸膜中皮腫 / 細胞障害性T細胞 / 腫瘍浸潤リンパ球 / SEREX法 / Thrombospoudin 2 / 腫瘍マーカー / 腫瘍免疫 |
Research Abstract |
これまでに、腫瘍浸潤リンパ球に由来する抗体に認識される腫瘍抗原4種類(Gene-X,THBS-2,STUB-1,IFT-88)を同定した。このうちGene X、Thrombospondin 2に対する抗体価を、97例の悪性胸膜中皮腫患者と22例の非悪性疾患患者(胸膜炎、胸膜プラーク)を対象にELISA法で測定した。健常者(27名)で設定したカットオフ値をこえるものを陽性として判定したところ、Gene-Xの陽性率は胸膜中皮腫患者で97例中45例(46.4%)、非悪性疾患患者は22名中1名(45.4%)であった。THBS-2は中皮腫患者97例中70例が陽性で陽性率が72.2%、非悪性疾患患者では22例中1例で4.5%であった。THBS-2に対する抗体価は、胸膜中皮腫に対する新たなバイオマーカーとしての可能性が示唆された。次にsmallinterfering RNA(siRNA)を用いて、Gene-XとTHBS-2の機能解析を行った。siRNAにてGene-Xの発現を、siRNAにて抑制したところ、コントロール群に比べ、胸膜中腫細胞株の増殖抑制が認められた。同様にTHBS-2に関しても発現を抑制することで、細胞増殖の抑制が認められた。さらに細胞増殖の抑制が、どのようなシグナル系が関与しているか解明をするために、それぞれの遺伝子を抑制した際に、アポトーシス関連遺伝子(Caspase3、Caspase9、PARP)を、細胞周期関連遺伝子(CyclinD1、p27)の遺伝子発現の変化を、Real-time RT-PCRにて解析した。Gene-Xを抑制することにより、Caspase3やCaspase9などのアポトーシス関連遺伝子が増加しており、またTHBS-2を抑制することで、CyclinD1が減少し、p27が増加した。Gene-XとTHBS-2の発現と、アポトーシス抑制遺伝子、細胞周期を制御する遺伝子へとの関連が示唆された。
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