2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトiPS細胞を用いた脳内細胞移植における安全性の検討
Project/Area Number |
21591837
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森實 飛鳥 京都大学, iPS細胞研究所, 特定研究員 (10528730)
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Keywords | iPS細胞 / パーキンソン病 / 腫瘍化 / 神経 / 多能性幹細胞 / ソーティング / ドーパミン / 移植 |
Research Abstract |
目的:ヒトinduced pluripotent stem cells(iPS細胞)を利用した細胞移植治療の安全性についての検討。特にiPS細胞から神経細胞への分化を行い、将来はパーキンソン病の新たな治療法の確立が目標。 成果:平成21年度にはヒトiPS細胞から効率よく神経を分化させるためにBMP inhibitor, Activin/Nodal/TGFβ inhibitorである2つの低分子化合物の使用が相補的に有効であることを発見した。従来の多能性幹細胞からの神経誘導の効率が格段に向上した。分化細胞の純度が上がるため、安全性という意味でもこの方法は非常に有効である。平成22年度には成果を国内および国際学会で報告し、論文発表も行った。さらに2つの化合物を用いて分化誘導したiPS細胞由来の神経前駆細胞をサルパーキンソン病モデルに移植して生着を確認した。分化誘導期間を長くすることで、移植後のグラフトの増大が抑えられる事も判った。この業績を平成23年度に論文発表した。さらに移植前の神経分化の度合いをより成熟させるためにin vitroにおいてNotch inhibitorが有効であることがわかり、移植前のNotch inhibiroの処置が移植後の神経組織の過増大を抑制することが示され、現在論文発表を準備しいている。ドーパミン神経前駆細胞の表面マーカーCorinがドナー細胞の純化に有用であることがわかり、選別細胞は移植後の腫瘍形成の危険も少ない事が判った。この成果についても論文準備中である。遺伝子導入によるiPS細胞の腫瘍化の危険性については、ES細胞との明確な差異は現段階では認められていない。さらにゲノムへの外来遺伝子の挿入のないiPS細胞の樹立技術が確立され、そのような新しいiPS細胞からもドーパミン神経が誘導されることがわかり、平成23年度に論文報告した。
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[Presentation] One-year observation of dopaminergic neurons derived from human embryonic stem cells in primate models of Parkinson's disease2011
Author(s)
Morizane A, Doi D, Kikuchi T, Yoshikawa T, Unoe H, Hayashi T, Kawasaki T, Sasai Y, Suemori H, Takahashi J
Organizer
ISSCR (International Society for Stem Cell Research) 9th annual meeting
Place of Presentation
Tronto, Canada
Year and Date
2011-06-16
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