2009 Fiscal Year Annual Research Report
もやもや病に対するVEGF遺伝子導入と骨髄幹細胞移植のダブル治療
Project/Area Number |
21591840
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
徳永 浩司 Okayama University, 大学病院, 講師 (40294467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安原 隆雄 岡山大学, 大学病院, 助教 (50457214)
菱川 朋人 岡山大学, 大学病院, 助教 (60509610)
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Keywords | もやもや病 / 細胞療法 / 遺伝子治療 / 血行再建術 / 前臨床研究 |
Research Abstract |
まず最初に、もやもや病モデルラットを作成し、対照群として、非血行再建術群、間接血行再建術+生食注入群を作成し、これに血行再建術+VEGF遺伝子導入群を作成して、3群で行動学的評価と組織学的評価を施行した。行動学的評価としてRotarodテストを用いたが、血行再建術を施行した2群は、有意差をもってRodから落下するまでの時間が延長し、行動学的改善を示した。しかし、VEGF遺伝子導入の有無による有意な行動学的改善は認められなかった。組織学的には新生血管が遺伝子導入後2週間で有意に増加しており、VEGFの強い血管新生作用が確認できた。続いて、骨髄幹細胞をもやもや病モデルラットに移植して治療効果を検討するべく、まず、in vitroにおける骨髄幹細胞の性質を同定した。骨髄幹細胞は少なくとも1辺月は分化能や増殖能を低下させることなく継代可能であった。非血行再建術+骨髄幹細胞移植群と血行再建術+骨髄幹細胞移植群を作成して、行動学的評価を行うと、後者において有意に行動学的改善が得られた。ただ、移植から1ヵ月後において、脳全体の委縮程度や海馬神経細胞の神経細胞数には有意差が得られなかった。これはまだ各群のNが少ないことも一つの原因かもしれない。移植群ではさらに大脳皮質における脳由来神経栄養因子・グリア細胞株由来神経栄養因子、さらに血管内皮成長因子の発現が増加していた。移植細胞の生存分化遊走については、生存細胞が少なく現在検討中である。来年度は、引き続き骨髄幹細胞移植の治療効果を、特に移植細胞の生存分化遊走について評価するとともに、神経新生に及ぼす影響についても検討したい。さらに、当初の計画にあるよ
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Research Products
(30 results)