2011 Fiscal Year Annual Research Report
もやもや病に対するVEGF遺伝子導入と骨髄幹細胞移植のダブル治療
Project/Area Number |
21591840
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
徳永 浩司 岡山大学, 大学病院, 講師 (40294467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菱川 朋人 岡山大学, 大学病院, 助教 (60509610)
亀田 雅博 岡山大学, 大学病院, 医員 (50586427)
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Keywords | 実験脳外科学 / 電気刺激療法 |
Research Abstract |
もやもや病は閉塞性血管障害であり、若年者脳梗塞の原因疾患として重要である。我々は小児症例では脳表に筋肉等を敷きこむ間接血行再建術を、成人症例では浅側頭動脈といった頭蓋外血管を脳表の中大脳動脈に吻合する直接血行再建術を用いて治療している。間接血行再建術は低侵襲で手術時間が短く有効な治療法であるが、時に脳血流の改善が乏しい症例もある。基礎研究においては、我々はこれまでに、両側頸動脈閉塞にて作成した慢性脳虚血モデルに対して間接バイパス術(側頭筋を脳表に敷き込み、側副血行を人工的に増やす手術)を加え、さらにその側頭筋にplasmidをvectorとしたVEGF (vascular endothelial growth factor:血管内皮成長因子)を筋注することで脳表のVEGF発現を促進し、側頭筋内および脳表の新生血管が増加することを明らかにしてきた。平成23年度はVEGFを超える可能性がある血管新生因子がないか探索を続け、生理活性ペプチドであるapelinに着目した。ラットを両側総頚動脈閉塞群と非閉塞群に分け、1週間後に両群の脳を摘出し、apelinの受容体であるAPJ蛋白が慢性脳虚血ラットの脳表血管に発現しているかどうかをAPJ抗体を用いた免疫染色により検討したところ、閉塞群脳内の血管内皮の一部でAPJ蛋白が発現している所見が得られた。一方、非閉塞群においてはAPJ蛋白の発現は認められなかった。これにより、apelin-APJシステムが慢性脳虚血によって惹起されると考えた。
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Research Products
(28 results)