2011 Fiscal Year Annual Research Report
グリオーマに対する腫瘍溶解ウイルス療法における血管新生因子CYR61の発現影響
Project/Area Number |
21591841
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
杉生 憲志 岡山大学, 大学病院, 講師 (40325105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒住 和彦 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20509608)
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Keywords | 悪性グリオーマ / オンコリティックウイルス / CYR61 / 細胞微小環境 / 腫瘍血管新生 |
Research Abstract |
我々は腫瘍溶解ウイルス(OV)をより効果的な治療戦略とするため悪性グリオーマに対する腫瘍溶解性ウイルスを用いて、腫瘍マイクロエンバイロメント、さらには、腫瘍血管の変化について調べてきた。ラット脳腫瘍モデルにおいてOV-HSV-1感染後に血管透過性の亢進を認め、その原因を探るべく、我々のラボではOV療法における腫瘍から分泌されるアンジオトームの変化に関する研究を行ってきたところ、血管新生因子cysteine-rich protein 61 (CYR61)の発現が有意に増加しているのを発見した。この結果ににづき以下のような計画で実験を行った。 平成23年度の計画 1)CYR61をターゲットとしたshort hairpin RNA (SH-RNA)を装備したOVを作製する。2)In vivoおいてCYR61を強発現、または抑制することにより、生存期間や腫瘍径をコントロールと比較する。 今回得られた結果としては、 1)CYR61の発現を有意に抑えることができる配列のshort hairpin RNA (SH-RNA)を作成することができたが、装備したOV作製を試みたが有意な抗腫瘍抑制効果が得られず、現在、再度作製中である。 2)In vivoおいてCYR61を強発現した細胞株でヌードマウスの皮下腫瘍モデルを作成し、OVを注入したところ、コントロールの細胞株にOVを注入した場合と比べ、有意に腫瘍径が増大していた。今後、生存期間も検討していく予定である。 CYR61をターゲットとしたshort hairpin RNA (SH-RNA)の作成をつづけ、OV療法におけるCYR61についての研究を今後発展させていくために、平成24年度からの課題研究「グリオーマの新規予後因子CYR61およびMGMTに関する分子生物学的検討」を始めていく予定である。
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Research Products
(35 results)