2009 Fiscal Year Annual Research Report
分子イメージングPET核種を用いた頭部外傷における脳虚血の検出
Project/Area Number |
21591845
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
河井 信行 Kagawa University, 医学部, 准教授 (40294756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川西 正彦 香川大学, 医学部, 助教 (80325349)
河北 賢哉 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (10505803)
山本 由佳 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (30335872)
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Keywords | 神経科学 / 脳・神経 / 脳神経疾患 / 放射線 |
Research Abstract |
【研究の意義】中枢性ベンゾジアゼピン受容体を定量的に測定できるPET分子イメージングトレーサである11C-フルマゼニル(11C-FMZ)を用いたPET検査を応用した頭部外傷後の高次脳機能障害の病態解明のための研究を平成21年度に実施した。当初の計画では18F-ミソニダゾールを用いた頭部外傷急性期に脳虚血の研究を初年度に進める予定であり症例の蓄積中であるが、急性期に測定が困難で十分な症例が得られないため、慢性期の神経細胞脱落と高次脳機能障害に関する研究を主に行った。【具体的内容】データベース作成のための正常被験者は、男性9名、女性10名の19名(平均年齢24.9±4.0歳、22~35歳)であった。また患者群として重症頭部外傷後に高次脳機能障害を後遺した男性4名、女性3名の7名(平均年齢24.6±6.3歳、19~36歳)で、原因となった頭部外傷は、びまん性軸索損傷5名、脳挫傷1名、急性硬膜下血腫1名であった。脳挫傷の症例を除いて形態学的画像診断では強い局所性脳損傷は確認されなかった。PET検査は、11C-FMZ静注後60分間のダイナミック撮影を行い、撮像開始後20~40分間の画像を収集しbinding potential(BP)画像を作成した。【結果】正常被験者では比較的均一なBP画像が得られ、統計学的画像解析のためのデータベースが得られた。脳挫傷症例では損傷部に一致してFMZ BPの低下が認められた。また他の症例においては、形態学的画像診断では明らかな損傷を認めなかった前頭葉内側(前部帯状回)、前頭葉眼窩面などに共通してFMZ BPの低下が検出された。【結論】正常被検者19名を対象に統計学的画像解析のための正常データベースの構築を行った。頭部外傷に伴う高次脳機能障害患者においてFMZ-PETを施行することにより、形態学的画像診断では異常を認めない部位にも大脳皮質神経細胞脱落が確認された。
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Research Products
(1 results)