2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591849
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山田 和慶 Kumamoto University, 医学部附属病院, 特任准教授 (00398215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉津 純一 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 教授 (20145296)
平井 俊範 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 准教授 (40274724)
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Keywords | 視床通 / Voxel-based morophometry / 痛み対応電流 / visual analog scale / 脳深部刺激術 / 内包後脚 |
Research Abstract |
視床痛は、脳卒中後遺症のひとつであり、患者の生活の質を著しく低下させる難治性疼痛であるが、形態上の変化はこれまでの技術では見出すことができなかった。この研究は、ボクセル-ベイスト モルフォメトリーvoxel-based morphometry(VBM)という画像解析技術によって、視床痛における微細な脳形態の変化を見出すことを目的としている。 この研究の対象患者は、熊本大学医学部附属病院あるいは関連施設を受診した脳卒中患者のうち、「視床出血gradela」に分類された患者で、発症より3ヶ月以上経過している症例である。このうち視床痛を続発した患者(視床痛群)と、視床痛のない患者(非視床痛群)の2群に分け、3.0テスラMRI scannerを用いて、3-dimensinal magnetization prepared rapid gradient echo(MRRAGE)sequencesによるT1強調ボリューム・データを取得し、両群間の微細脳形態の差異をVBMにより解析する予定であった。 しかし、平成21年度において上記に該当する新規視床出血患者は1例のみであり、また視床痛を新規に発症した患者もなかった。今後、症例の蓄積が課題であるが、平成21年度は研究のための備品の整備および痛み度測定の技術が確立できたと考えている。 1、Pain Vision(ニプロ社製)による痛み度測定技術の確立 痛み対応電流値と電流知覚閾値を測定し、痛み度を算出する装置を準備した。難治性疼痛に対し機能外科治療(脳深部刺激)を過去に施行している患者約10例に対し、日常診療においてPain Visionを用いて痛み度を測定しており、主観のみに頼ったvisual analogue scale(VAS)に比べ客観性が高いことが判明した。これは、定量化された客観的疼痛強度と二次的形態変化の関係、視床痛の性状と形態変化の関係について分析する上で必須の技術である。 2、Dr. View/LINUXソフトウェアの準備 MPRAGEのみでなく、拡散テンソール画像、またPETやSPECTなどの複数画像データを融合し、形態変化と白質線維連絡・脳代謝・脳血流との関係など、より精細な解析を行うためのソフトウェアを購入した。
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