2011 Fiscal Year Annual Research Report
顔面神経核の逆行性変性阻止への末梢性、中枢性グリアの作用と軸索再生機序の解明
Project/Area Number |
21591859
|
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
長谷川 光広 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (70218460)
|
Keywords | facial motoneuron / retrograde degeneration / axonal injuly / brainstem / glial cell / axonal regeneration |
Research Abstract |
顔面神経核から末梢のターゲットまでの顔面神経の走行に沿って、脳幹内顔面神経(脳内根)軸索損傷モデルから末梢枝損傷モデル(茎乳突孔部ならびに側頭骨内モデル)までの各種モデルを作製した。雌Wister rat 250-300grを全身麻酔下に以下のように損傷モデルを作成した。1.中枢神経軸索損傷モデル:後頭下の開頭後、小脳経由で定位脳的に脳幹内で顔面神経軸索を切断。2.末梢軸索損傷モデル:側頭窩下の茎乳突孔から顔面神経が出る部分で切断。3.側頭骨内引き抜き損傷モデル:茎乳突孔から引き抜き損傷を加えることによる側頭骨内での切断モデルで、末梢神経損傷モデルより近位の損傷となる。4.脳槽内圧挫モデル:側頭骨を切除し、脳槽に到達、脳幹より分枝した直後の顔面神経をクリップで圧挫損傷。各損傷群における損傷後一ヵ月の顔面神経核の逆行性変性による神経脱落は、末梢損傷では10%の脱落に対し、引き抜き損傷では50%、脳幹損傷では97%が脱落した。脳幹内への末梢神経移植操作で80%の脱落、エリスロポイエチン投与では92%の脱落に抑えることが可能であった。これまでに脳槽内損傷モデルではアポトーシス関連因子の発現とtunel陽性所見から神経脱落の過程にアポトーシスの関連が報告されているが、我々の脳幹内損傷モデルでは顔面神経核にtunel陽性所見は今のところ得られておらず、末梢軸索損傷と中枢軸索損傷では神経細胞の反応に差異があることが示唆される。脳幹内軸索損傷による顔面神経細胞の脱落が高度であることから、末梢神経損傷モデルとの中間系である脳槽部損腫モデル並びに錐体骨内引き抜き損傷モデルに実験系の主体を現在のところ移行して、ある種のCaチャンネルブロッカーと成長因子投与による神経細胞脱落阻止作用を検討中である。
|
Research Products
(9 results)
-
[Journal Article] Whole genome analysis from microdissected tissue revealed adult suptratentorial grade II-III gliomas are divided into clinically relevant subgroups by genetic profile2011
Author(s)
Hirose Y, Sasaki H, Miwa T, Ohba S, Ikeda E, Abe M, Ikeda S, Kobayashi M, Kawase T, Hasegawa M, Yoshida K
-
Journal Title
Neurosurgery
Volume: 69-2
Pages: 376-390
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-