2009 Fiscal Year Annual Research Report
癌幹細胞の細分類に基づくヒト神経膠芽腫の新規治療標的の探索
Project/Area Number |
21591874
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
秀 拓一郎 Kumamoto University, 医学部附属病院, 助教 (40421820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉津 純一 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 教授 (20145296)
中村 英夫 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (30359963)
牧野 敬史 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 助教 (90381011)
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Keywords | 癌幹細胞 / 神経膠芽腫 / 培養 / 治療 |
Research Abstract |
神経膠芽腫は最も悪性の癌の一つであり、手術による摘出後に放射線・化学治療を加えた集約的治療を行っても平均生存期間は未だ約1年である。この治療が困難な神経膠芽腫の新規治療法の確立に向け治療標的の探索が本研究の目的である。 平成21年度の主な研究目標はヒト神経膠芽腫組織からの癌幹細胞の樹立である。 癌幹細胞は浮遊培養法で濃縮する計画であり、手術で摘出したヒト神経膠芽腫組織を酵素処理で細胞をばらばらにし、浮遊細胞としてEGFとFGFを含んだ無血清の培養液、10%の血清入り培養液、さらにこれら2つを半量ずつ混ぜた培養液中で培養を行い、癌幹細胞の樹立を試みた。現在5個の細胞株を樹立できており、これらの細胞株の腫瘍形成能を確認するため、それぞれの細胞株について4匹のヌードマウスに1000個の細胞を移植した。現在のところ移植後1~2カ月程度でありマウスは生存している。またさらに3細胞株は培養中で移植予定である。腫瘍形成能の確認のため、移植細胞数を増やすこと、ヌードドマウスからNOD-SCIDマウスに変更することも考慮している。 培養開始時は増殖し浮遊細胞塊を形成するものであっても、培養を続けると増殖能が徐々に落ち継代できないものも存在する。至適培養条件の検討は今後の課題の一つである。 我々の病院では年間約80例グリオーマの手術があり、そのうち約30例が神経膠芽腫の手術である。今後も継続して手術摘出神経膠芽腫組織からの癌幹細胞株の樹立を行い、腫瘍形成能や分化能を検討していくこととしている。
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