2010 Fiscal Year Annual Research Report
下垂体腺腫における腫瘍幹細胞の実態とその機能および分化に関する研究
Project/Area Number |
21591875
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
有田 和徳 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (90212646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯之上 俊二 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (20404478)
平野 宏文 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00264416)
高野 幸路 東京大学, 大学病院, 助教 (20236243)
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Keywords | pituitary adenoma / CD133陽性細胞 / endothelial progenitor |
Research Abstract |
下垂体腺腫にCD133陽性細胞が存在していることを確認することができた。そのことは免疫組織染色によって患者下垂体腺腫の組織切片においてCD133抗体を用いた染色によって確認されたが、さらに下垂体腺腫中にCD133mRNAが発現しているかどうかをreal timePCRにて検討した。その結果、CD133mRNAの発現が確認された。下垂体腺腫におけるCD133陽性細胞は腺腫組織内では散在性に存在するものと管腔形成をしているものがあった。このことから同細胞は血管新生にかかわっている細胞ではないかという仮説を立てる一方で内分泌機能を有した細胞へ分化する細胞ではないかと考え多重免疫組織学的検討を供焦点レーザー顕微鏡によって解析を行った。 その結果、下垂体腺腫に存在するCD133陽性細胞はNestin, CD34, VEGFR2に陽性であった。一方、Tuj1, GFAP, S100, chromogranin Aに陰性であった。CD34/VEGFR2に陽性でありNestinも陽性であった。このことから同細胞は血管新生に関与する細胞なのではないかと考えられた。また一方で下垂体腺腫の内分泌学的発現形や腫瘍サイズ、年齢、性別などとCD133陽性率との相関を検討したところ有意差はなかったがCD133陽性細胞は非機能性下垂体腺腫にやや多い傾向をみとめた。可能性として下垂体腺腫サブタイプへの関与を示唆するものであるために次年度はCD133陽性細胞におけるtranscription factorの検討を行いたいと考えている。
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