2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591878
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
三島 一彦 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (00282640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 淳一 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (70291143)
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Keywords | 中枢神経悪性リンパ腫 / テモゾロミド / Methotrexate / MGMT / 予後 / 化学療法 / 脳・神経 / 癌 |
Research Abstract |
中枢神経悪性リンパ腫(PCNSL)治療に重要な役割を占める化学療法剤である、テモゾロミド(TMZ)及びMetotrexate(MTX)の薬剤感受性に関わるマーカー候補であるMGMT遺伝子プロモーターのメチル化、reduced folate carrier(RFC)遺伝子のプロモーターのメチル化、遺伝子発現を調べ、これらの化学療法剤の効果との関係を検討する。さらにPCNSLを遺伝子学的サブタイピングした上で、治療成績との関係について検討し、新たな治療法の開発に向けての基盤的研究を行うことを本研究の目的としている。昨年度に引き続き、PCNSL症例の腫瘍組織よりDNAを抽出し、MGMT遺伝子に対するメチル化感受性高解像能融解曲線分析法にて、MGMT遺伝子のプロモーターのメチル化の有無を解析した。Bisulfite処理した各DNAサンプル0.2μgを最終容量20μlに溶解した。メチル化スタンダードは、100%メチル化コントロールDNAを100%非メチル化コントロールで希釈して100%から0%まで10%毎に段階希釈したサンプルを準備した。PCR prierはWojdaczらの論文に従ってデザインした。DNAインターカレート色素を含むLight Cycler480 High Resolution Meltingマスターミックスを使用し、PCRの条件はSYBR GreenI検出フォーマットにて、95℃10分X 1サイクル、95℃10秒-60℃20秒-72℃20秒X45サイクル、高解像能融解曲線分析法のステップとして、95℃1分、50℃1分、72℃5秒反応させた後、95℃へ向かって1℃につき30回連続して蛍光を取得した。PCNSL 45例中MGMTのメチル化が確認できたのは23例であった。メチル化の程度は5%から100%まで存在した。再発時にTMZを導入した5例中4例はMGMTのメチル化がみられ、これらの症例では治療に奏効した。一方MGMTのメチル化がみられない1例ではTMZ抵抗性であった。MGMTのメチル化はTMZの効果を予測する因子となりうる可能性が示唆された。次にMTX療法の感受性に関与する可能性があるRFC遺伝子発現を免疫組織染色で検討した。MTX療法の感受性とRFCの発現を検討できたのはPCNSL34例であった。RFCの発現を認めたのは17例で、うちMTX療法が有効(CR,Cru,PR)であったのは16例(94%)であった。RFCの発現を認めない17例中MTX療法に抵抗性を示した(SD,PD)症例は9例(53%)であった。またMTX奏効例24例中RFC陽性例は16例(67%)で、治療抵抗10例中9例(90%)でRFCの発現を認めなかった。以上よりRFCのタンパク発現はMTX療法の感受性に関係する可能性が示唆された。現在、Fas,Bcl-2の発現を検討する免疫組織染色を行っており、他の遺伝子発現とともに治療効果や予後との関わりを検討する予定である。
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Research Products
(4 results)