2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591885
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
深谷 親 Nihon University, 医学部, 准教授 (50287637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 秀規 日本大学, 医学部, 講師 (20328735)
山本 隆充 日本大学, 医学部, 教授 (50158284)
片山 容一 日本大学, 医学部, 教授 (00125048)
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Keywords | 運動機能 / 術中神経生理 / マッピング / モニタリング / 一次運動野 / 皮質脊髄路 / 補足運動野 / 運動前野 |
Research Abstract |
運動機能温存のためのモニタリング・マッピング法は、刺激法として経頭蓋刺激と直接大脳皮質刺激に、記録法としては誘発筋電図記録と脊髄硬膜外記録に大別できる。各々の刺激法に2通りの記録法を選択しうるので、全体としては4つのパターンに運動誘発電位は大別できる。これらの方法を併用し、その利点・欠点を比較検討した。本年度の研究から以下の点が明らかとなった。 (1)経頭蓋刺激の刺激点について:経頭蓋的に脳を刺激し運動反応を誘発した場合には大脳皮質直接刺激法とは異なった部位が刺激される。刺激強度により多少は変化するが、2点から求めた伝導速度より逆算すると主に脳幹周囲が刺激されると考えられた。 (2)高次運動野の同定と損傷後の機能回復について:補足運動野や運動前野といった高次運動野摘出後の神経脱落症状は、一次運動野の場合と大きく異なり、旺盛な機能回復が期待でき、巧緻運動以外は充分な回復が期待できる。 (3)筋電図記録を指標としたマッピング法の信頼性について:誘発筋電図出現の有無を指標としてマッピングを行い一次運動野と高次運動野を区別する場合には最も閾値の低い部位を求め一次運動野と同定する必要がある。 (4)適切な皮質下のマッピング法について:皮質下マッピングでは遠隔部位より皮質脊髄路の位置が予測できるモノポーラー刺激が有用と考えられた。ただし、筋電図記録は上述の理由にて信頼性が低く、脊髄硬膜外よりD-waveを導出しこの振幅を指標とする方法が有望と考えられた。 以上の点をふまえることで運動機能モニタリングはより有用性と信頼性を増すと考えられる。
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Research Products
(8 results)