2010 Fiscal Year Annual Research Report
神経膠芽腫の化学療法耐性因子の同定と、その発現を元にしたテーラーメイド治療の構築
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21591886
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
井内 俊彦 千葉県がんセンター(研究所), 研究局, 兼務研究員 (80370881)
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Keywords | 神経膠芽腫 / MGMT / テモゾロミド / IMRT |
Research Abstract |
悪性神経膠腫47例を対象にcDNA arrayを用いた網羅的遺伝子発現解析を行うと同時にMGMTメチル化をメチル化特異的PCR法にて解析を行い、MGMTメチル化を認める症例と認めない症例の中で発現量に有意差を認めた遺伝子の抽出を行った。メチル化の有無により有意な遺伝子発現の差を認めた遺伝子は解析を行った855遺伝子中163遺伝子であり、MGMTがメチル化を受ける環境下では多くの遺伝子の発現が変化していることが判明した。これら遺伝子の内、特に有意差が高かった遺伝子の中にはMDM2の発現を抑制することで間接的にp53を機能亢進するとされているRPLのファミリーに属する5分子や、最近乳癌に対する抗癌剤耐性と関与することが指摘されているeIF3のファミリーに属する遺伝子など存在することが判明した。今後、テモゾロミド耐性におけるこれらの分子の発現との関連を、蓄積したテモゾロミド使用前後の腫瘍サンプルで確認していく予定である。 一方、MGMTメチル化の有無により治療線量を変更するテーラーメイド治療では、MGMTメチル化例で治療線量を減量しても局所制御期間は良好に維持できることが判明し、また病変局所の放射線壊死の頻度は減少傾向を示したが、低線量領域における壊死の頻度は変化せず、放射線障害の予防には治療線量の減量以外の工夫が必要であることが判明した。
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Research Products
(4 results)