2009 Fiscal Year Annual Research Report
骨粗鬆症性脆弱性脊椎骨折に対する骨代謝改善薬の適正使用に関する研究
Project/Area Number |
21591890
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鐙 邦芳 Hokkaido University, 保健管理センター, 教授 (00159419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
放生 憲博 北海道大学, 大学病院, 助教 (60451423)
大嶋 茂樹 北海道大学, 大学病院, 助教 (90547613)
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Keywords | 骨代謝 / 骨粗鬆症 / 脊椎骨折 / 脊椎固定術 / 構造解析 |
Research Abstract |
骨粗鬆症治療を目的に投与される骨代謝改善薬は,脆弱性脊椎骨折や脊椎再建手術後の骨修復過程に影響を与える可能性があるが,現在,骨折後早期や術後早期の薬剤選択や使用法に関する指針はまったくない.しかし,骨の早期治癒と体幹支持性の獲得は,脊椎骨折や再建手術後の最優先課題であり,長期的な骨折予防のために骨修復過程が妨げられるようなことがあれば本末転倒といわざるを得ない.本研究の目的は,動物モデルを用いた基礎的研究により,各種骨代謝改善薬が脆弱性脊椎骨折や脊椎再建術後の骨修復過程に与える影響を明らかにし,骨修復期の適切な薬物療法の使用指針を作成することである. 初年度の主たる研究内容は,骨粗鬆症性脆弱性脊椎骨折の動物モデルを作成することであった.動物種は外科的手術の操作性を考慮してウサギを使用した.われわれのこれまでの実験において,卵巣摘出ラットは骨量の有意な減少を示し,骨吸収抑制剤投与により回復することを確認している.これをさらに発展させて,卵巣摘出ウサギの腰椎椎間板を上下の椎体終板ごと切除し,粉砕した腸骨を充填することにより脊椎骨折モデルを作成した.この脊椎骨折モデルは,適度な椎間可動性のため,高率に遷延治癒または偽関節を発症し,組織学的には椎体骨折の治癒様式に近い海綿骨中心の治癒過程を再現できることがわかった.この動物モデルは,骨粗鬆症性脆弱性脊椎骨折に関する他のさまざまな研究に応用することが可能であると考えられる.
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Research Products
(21 results)