2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591893
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
原 慶宏 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00422296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茂呂 徹 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (20302698)
石原 一彦 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90193341)
竹下 克志 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (30262009)
三浦 俊樹 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20376479)
金野 智浩 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80371706)
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Keywords | 硬膜外癒着防止材料 |
Research Abstract |
今年度の研究では昨年度までに確立したラット椎弓切除モデルおよび癒着評価方法を改良した上で使用し、MPCポリマーゲルの硬膜周囲癒着防止効果を検討した。今年度に行った評価は、昨年までの研究にて評価法が不十分であった硬膜周囲の組織学的検討、ラット神経学的評価、力学的評価について実施した。 硬膜周囲の組織学的検討では、MPCポリマーゲルで硬膜周囲を被覆した群では、コントロール群と比較し硬膜表面から瘢痕組織までの間隙が形成されており、瘢痕中の炎症細胞数が有意に減少していた。また硬膜の厚みには両群に有意差がなくポリマーゲルによる硬膜の菲薄化は生じないと考えられた。またポリマーゲルは4、6、8週のいずれの時点でも組織標本内への残存が見られず、ラット生体内への長期にわたる残存はないと考えられる。ただしどの時点で生体への吸収が始まり完了するかについては今後の検討を要する。 また神経学的評価ではMPCポリマーゲル群とコントロール群いずれも統計学的に十分な個体数まで増やして評価したところ、両群において有意な差はなくポリマーゲルによる神経障害の可能性を示唆する所見は見られなかった。力学的評価については昨年に引き続きレオメーターを用いた最大破断張力による癒着の定量評価を実施した。硬膜と周囲の骨とを把持して張力をかけるやり方では瘢痕よりも硬膜の強度が弱いために途中で硬膜自体の破損が生じることが多く評価が不能であった。そこで硬膜それ自体を瘢痕を付けたまま左右に張力をかける方法で再度実験を行ったが本法において両群間に有意差を見つけることはできなかった。 以上の結果はMPCポリマーゲルが神経を傷害することなく癒着を防止することを示唆するものであるが、癒着防止を定量的に確認するための力学的評価は十分とは言えない。しかしこれらの結果はMPCポリマーゲルの臨床応用に向けてのの研究開発を推進しうるものであると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)