2009 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄損傷慢性期での細胞移植を併用した再髄鞘化と運動機能再建
Project/Area Number |
21591894
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
榎本 光裕 Tokyo Medical and Dental University, 医歯学総合研究科, 寄附講座教員 (90451971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 良明 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 助教 (00431916)
早乙女 進一 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 寄附講座教員 (20401391)
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Keywords | 脊髄損傷 / 神経再生 / 神経栄養因子 / 神経幹細胞 / 移植 / 担体 |
Research Abstract |
本年度は、神経栄養因子(D15A)導入ラット胎児海馬由来神経幹細胞のin vitroでの分化傾向とアポトーシス抑制効果について検討した。培養神経幹細胞は、培養液中に線維芽細胞増殖因子(FGF2)を添加することで増殖し、FGF2を除去することで神経分化が起こる性質をもつ。今回、D15A導入幹細胞(D15A-NPC)とGFP導入幹細胞(GFP-NPC)をFGF2なしで4日間培養した。その後、細胞を固定し神経マーカーを用いて免疫染色を行った。その結果、総細胞数に対する割合としてD15A-NPCは、ニューロン、アストロサイトがそれぞれ40%、オリゴデンドロサイトが11%であった。GFP-NPCと比較してオリゴデンドロサイト数が多い傾向を認めたが有意差はなかった。また、D15Aのアポトーシス抑制効果の検討では、増殖期にあるD15A-NPCとGFP-NPCにスタウロスポリンを使用してアポトーシス誘導をおこない、活性化カスパーゼ3抗体を用いた免疫染色で陽性細胞数を計測した。その結果、D15A-NPCとGFP-NPCともに総細胞数に対して約5%のアポトーシス細胞が観察されたが、有意差を認めなかった。若手研究(スタートアップ)で行ったラット慢性期脊髄損傷モデルへの細胞移植結果では、D15A-NPC移植によって残存ミエリンの増加と運動機能の一部回復が観察された(論文報告)。in vitroでは、D15A-NPCの分化能およびアポトーシスは、GFP-NPCと変わらなかったことから移植脊髄環境での解析が必要になる。次年度、研究計画にあるハニカムコラーゲン担体を用いた細胞移植を行い、再髄鞘化の促進と周囲の環境の影響を解析するよう予定している。
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Research Products
(4 results)