2010 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄損傷慢性期での細胞移植を併用した再髄鞘化と運動機能再建
Project/Area Number |
21591894
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
榎本 光裕 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 寄附講座教員 (90451971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 良明 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (00431916)
早乙女 進一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 寄附講座教員 (20401391)
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Keywords | 脊髄損傷 / 神経再生 / 神経栄養因子 / 神経幹細胞 / 移植 / 担体 |
Research Abstract |
今年度は、移植細胞の足場となるハニカムコラーゲン(HC)を用いたin vitroとin vivo実験を行った。in vitroでは、ラット後根神経節(DRG)をHC上においてGFP標識した骨髄由来幹細胞と共培養した。DRGからHCの気孔内を伸長する神経突起の長さを計測した。10日後にHCをDRGとともにマイクロスライサーで薄切し、免疫染色を用いてHC内を観察した。HC内を伸長する神経突起が認められ、突起周囲にGFP標識細胞が集積していた。DRGからの突起は、対照群(細胞なし群)と比較すると骨髄細胞によって2.5倍促進されていた。現在、D15A導入幹細胞でも神経突起の伸長とHC内での細胞分化について解析している。in vivo実験では、ラット脊髄右半側3mmの欠損を作製し、欠損のみ(欠損群)とHC移植群を作製した。移植後、運動・知覚機能検査を定期的に行い、4週後に還流固定をしてHCとホスト脊髄との親和性を組織学的に検討した。後肢運動機能評価法では、欠損群では見られなかった前肢と後肢の協調運動がHC移植群で観察された。知覚検査では、HC群に知覚過敏を認め、HC内での知覚神経の再生が促進されている可能性が示唆された。組織学的には、HCを含む水平断切片を作製して評価した。HCの一部が移植4週でも残存していて気孔内に神経線維マーカーであるニューロフィラメント陽性線維を多数観察することができた。移植HC内では、再生神経線維が多数存在し、今後、神経幹細胞移植によって線維数の促進が見込まれる。同時に、血管クリップを用いたラット脊髄損傷モデルの作製を行っている。損傷慢性期でのHC移植に向けて空洞の大きさを定量化し、適合性のよいHCの作製に着手している。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Middle-Term Results of a Prospective Comparative Study of Anterior Decompression with Fusion and Posterior Decompression with Laminoplasty for the Treatment of Cervical Spondylotic Myelopathy2011
Author(s)
T.Hirai, A.Okawa, Y.Arai, M.Takahashi, S.Kawabata, T.Kato, M.Enomoto, S.Tomizawa, K.Sakai, I.Torigoe, K.Shinomiya
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Journal Title
Peer Reviewed
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