2011 Fiscal Year Annual Research Report
RNA干渉、マイクロビーズアレイを用いた脊柱靭帯骨化症に対する網羅的遺伝子解析
Project/Area Number |
21591895
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
内田 研造 福井大学, 医学部, 准教授 (60273009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 秀明 福井大学, 医学部, 助教 (10397276)
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Keywords | 脊柱靭帯骨化症 / 遺伝子解析 / 骨化前線 / 後縦靭帯 / 黄色靭帯 / メカニカルストレス / 転写因子 |
Research Abstract |
頸椎後縦靱帯骨化症(OPLL)、胸椎黄色靱帯骨化症(OLF)の手術時に採取した脊柱靭帯組織から骨化部分を除き、outgrowth法にて靭帯細胞を単離し、FBS添加DMEM培地にて5継代培養した。非骨化患者の各靭帯組織を同様に培養し、コントロールとし、それぞれの生物学的特徴について解析した。培養靭帯細胞にFlexercell FX-3000を用いて機械的ストレスをかけ、免疫組織化学染色およびreal time RT-PCR法にて評価した。 骨化前線部においては、β-catenin、Sox9の発現は間葉系細胞、増殖期軟骨細胞に強陽性であった。Runx2、TGF-βは増殖期・肥大軟骨細胞に広範に発現していた。培養骨化靱帯では、β-catenin、Runx2、OsterixのmRNA発現量が上昇しており、さらにcyclic tensile strainを加えると各因子のmRNAの発現は有意に増加した。免疫組織化学的局在ではWnt5a、Wnt7aは未分化間葉系細胞、β-cateninは増殖期軟骨細胞、Runx2、Osterixは肥大軟骨細胞に強く発現していた。骨化前線部では、成長因子や転写因子を介してautocrine/paracrineに細胞が分化・成熟して層構造を形成するが、石灰化前線周囲の軟骨細胞は活性が非常に高く、この軟骨細胞はサイトカインや転写因子を介して血管新生、石灰化の促進、骨芽細胞の分化誘導をもたらすと考えられた。さらにWnt/β-catenin signalingの持続的かつ過剰発現はこれらの系を異常促進させ、このことは骨化形成・伸展に関与する1つの要因であることが示唆された。
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