2011 Fiscal Year Annual Research Report
アレンドロネートが関節軟骨及び椎間板細胞の代謝活性に及ぼす影響
Project/Area Number |
21591896
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
小林 茂 福井大学, 医学部附属病院, 准教授 (80234821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹野 建一 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (90432145)
宮崎 剛 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (80324169)
馬場 久敏 福井大学, 医学部, 教授 (00165060)
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Keywords | 椎間板 / 関節軟骨 / アレンドロネート / 3次元培養 / プロテオグリカン |
Research Abstract |
加齢に伴う軟骨変性によって発症する変形性関節症は関節痛、そして椎間板変性は腰痛や背部痛の原因として広く知られており、骨粗鬆症を生ずる年代では軟骨変性や椎間板変性を合併していることが多い。本研究では骨粗鬆症予防薬として現在広く臨床で使用されているビスフォスフォネート製剤が関節軟骨細胞や椎間板細胞の代謝に対してどのような影響を及ぼすかを三次元培養システムを用いてin vivoに検討した。その結果、まず健常な関節軟骨および椎間板髄核細胞では、乳酸産生量、グリコサミノグリカン(GAG)産生量、そしてプロテオグリカン合成能が10^<-8>から10^<-10>mol/Lのアレンドロネート濃度で高値を示し、細胞代謝が活発になることを明らかにした。次に加齢に伴う変形性関節症や椎間板変性下では、軟骨組織内の酸素濃度の低下及びプロテオグリカンの減少により浸透圧が低下することが知られている。そこで我々は、低酸素(<1%O_2)、低浸透圧(270mOsm)下でのアレンドロネートが関節軟骨細胞や椎間板髄核細胞に及ぼす影響を検討した。その結果、低酸素、低浸透圧の病的条件下ではアレンドロネートによる細胞の乳酸産生量、グリコサミノグリカン(GAG)産生量、そしてプロテオグリカン合成能の明らかな増加は見られなかった。すなわち、病的条件下ではすでに細胞の代謝機能は低下しておりアレンドロネートの作用が影響しないものと考えられたが、健常な細胞に対しては明らかに細胞の代謝活性を高め、プロテオグリカンの新陳代謝を活発にする作用があることを明らかにした。よって、アレンドロネートは、軟骨組織の変性予防に有用な薬剤であると考えられた。
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