2010 Fiscal Year Annual Research Report
骨移植不要の椎間固定材料としての表面処理多孔体チタンの骨形成能の比較研究
Project/Area Number |
21591898
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
根尾 昌志 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80311736)
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Keywords | 生体活性 / チタン / 脊椎 / インプラント / 固定術 |
Research Abstract |
昨年度から行ってきた、ウサギ(日本白色家兎)を用いたHAコーティングチタンとアルカリ加熱処理チタンの骨伝導能比較実験の埋入後1年の結果を得た。 ウサギの大腿骨顆部に直径6mm、高さ10mmの円柱状の多孔体チタンを挿入した。チタンはプラズマ溶射法によって作成した。使用した多孔体チタンは表面処理のないもの(コントロール)、HAコーティングをしたもの、アルカリ温水加熱処理をしたもの、アルカリ希塩酸加熱処理をしたものの4種類であった。昨年度までの結果では、埋入6週の時点でのコントロール、HAコーティング.アルカリ温水加熱処理、アルカリ希塩酸加熱処理材それぞれのインプラント内部での骨形成量(%)は順に14.7、14.9、17.7、17,9、埋入12週では6.7、12,4、20.7、23.3、埋入26週では4.2、10.7、21.4、27.9であったが、今回得た埋入後52週の結果は、それぞれ、6.0、8.3、21.6、29.2となっていた。HAコーティングの骨形成量が半年から1年の間に減少したのに対して、アルカリ温水加熱処理、アルカリ希塩酸加熱処理では微増しており、HAコーティングに対する優位性が維持されていた。 この間に、他の研究によりアルカリ希塩酸加熱処理チタンよりも、混酸加熱処理チタンの方が骨形成能に優れる可能性が示唆された。このため、予定していた臨床により近い研究であるイヌの椎体間固定実験は凍結した。しかし、比較的容易に実験可能な、犬背筋内での骨誘導能を調べる実験を開始している。これまでの埋入後6ヶ月時点の結果では、有意差はでていないものの、混酸処理がアルカリ希塩酸処理よりも高い骨誘導能を示している。
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