2011 Fiscal Year Annual Research Report
加齢的運動器変性に及ぼす運動療法の効果‐老化促進マウスを用いた基礎的研究‐
Project/Area Number |
21591900
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
米 和徳 鹿児島大学, 医学部, 教授 (40182844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 史代 鹿児島大学, 医学部, 助教 (70437953)
榊間 春利 鹿児島大学, 医学部, 准教授 (10325780)
吉田 義弘 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10107906)
井尻 幸成 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (00315417)
小宮 節郎 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30178371)
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Keywords | 老化促進マウス / 脊髄 / 運動 / 加齢 |
Research Abstract |
正常マウスに比べ、老化の進行が速く、平均寿命が約40%低下している老化促進マウス(SAM)を使用し、壮・老年期の運動が身体にどのような影響を与えるのか、検討した。老化促進マウスは、50週齢で筋萎縮などの老化現象が出現するとの報告から、50週齢の時点を老化現象出現時期と設定し、老化初期50W齢群,老化58W齢群,老化初期からトレッドミル運動を8週間行った運動群の3群間の比較・検討を行った。運動群は、トレッドミル運動を13m/minの速度で1日20分間、1週間に6日間、連続8週間行った。 活動量の比較では、50W齢群>運動群>58W齢群で有意に活動量が大きくなり、老化に伴い活動量の低下が起こり、運動介入を行うことで活動量の低下を抑制できる可能性が示唆された。また、下大静脈から採血し、採血した血液を遠心分離し、血清を採取した。酵素免疫測定法(ELISA法)により血中のHigh Mobility Box group-1 (HMGB1), Tumor Necrosis Factor (TNF-α)、Interleukin-1a (IL-1β),-6(IL-6),-10(IL-10)を検出した。HMGB1血中濃度は、58W齢群が他2群と比較し有意に高い数値を示した。TNF-α、IL-6、IL-10血中濃度は3群間に有意な差はみられなかった。IL-1βは運動群が58W齢群に比べ有意に高い値を示した。このことより、血中HMGB1濃度が上がると炎症や組織のバリアー障害を起こし細胞死を誘発する可能性があるため、運動介入によりこれらを抑制する可能性が示唆された。今後、サイトカインなどとの関連を調べていきたい。
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