2009 Fiscal Year Annual Research Report
上位頚椎固定術の力学的妥当性及びそのスクリュー強度の解析
Project/Area Number |
21591901
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
水谷 潤 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 助教 (70326156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鐙 邦芳 北海道大学, 医学部・保健管理センター, 教授 (00159419)
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Keywords | 環椎外側塊スクリュー / 生体力学 |
Research Abstract |
本年度は我々が考案した後弓スクリューの有用性を明らかにするために、新鮮凍結屍体9体を用いて、環椎外側塊スクリュー後弓刺入法と我々の考案した後弓スクリューとに群分けして、環軸椎固定の模擬手術を行った後、環椎のみを取り出した後、それぞれの刺入法ごとの引き抜き強度を比較検討した。環椎外側塊スクリュー後弓刺入法の引き抜き強度は平均1048.5N (712.0N-1023.1N)であった。一方、後弓スクリュー法の引き抜き強度は平均720.3N (352.2N-1023.1N)であり、両群間での統計学的差は認めなかった。これらのデータから、後弓スクリューの有用性を裏付ける重要な力学的基礎的データが得られた。 この結果は環椎外側塊スクリューの重大な合併症である、bi-cortical刺入による内頚動脈損傷を回避しうるだけでなく、もう一つの重篤な合併症である横突孔部での椎骨動脈損傷をも回避しうる新たなスクリュー法である、従来の後弓刺入環椎外側塊スクリューの刺入長を後弓基部にとどめる新たな刺入法:すなわち後弓スクリューの臨床応用につながる重要な知見である。 CTデータを基にした、頚椎における骨密度の基礎的データは鋭意データを収集中であるが、本年度は一つの椎体における骨密度の分布状況に関して主として検討を行った。 また、すでに環椎外側塊スクリューを用いた環軸椎固定術を臨床応用しているがそれらの臨床成績を解析し学会発表等も行った。
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