2010 Fiscal Year Annual Research Report
生体吸収材料および自家多血小板血漿を用いた骨芽細胞誘導による脊椎固定術の開発
Project/Area Number |
21591903
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
長谷 斉 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (00172883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三上 靖夫 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (80360030)
池田 巧 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (40453120)
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Keywords | 多血小板血漿 / ゼラチンβTCPスポンジ / 骨癒合 |
Research Abstract |
本研究の目的は、多血小板血漿(platelet-rich plasma : 以下PRP)とゼラチンβ-tricalcium phosphateスポンジ(以下ゼラチンβ-TCPスポンジ)による骨癒合法を開発することである。平成22年度には、ラットの腰椎後側方固定モデルを用いて、本法と自家骨移植法による骨癒合過程について比較検討を行った。SDラット(雄、8週齢)のL4、L5横突起の骨皮質をスチールバーで掘削した。横突起間にPRPを含浸させたゼラチンβ-TCPスポンジ(以下PRPスポンジ)と自家腸骨を移植した。術後2, 4, 6, 8, 10週で腰椎を摘出し、単純X線像、生体力学的検査、μCT、組織学的評価を用いてL4、L5横突起間の骨癒合および骨量を評価した。単純X線像では両群とも経時的にL4、L5横突起間の陰影が増強した。生体力学的評価では全期間において両群間に有意差を認めなかった。μCTでは術後4週で両群とも掘削した横突起がリモデリングされ、骨梁構造を有した新生横突起に置換された。μCTによる骨量では全期間で両群間に有意差を認めなかった。組織学的評価では両群とも術後4週で掘削したL4、L5横突起はリモデリングされ血球系細胞を伴った新生骨梁に置換されていた。また横突起間には成長軟骨に類似した組織が形成されていた。その後、経時的に新生骨梁組織が成熟および拡大し、同時に成長軟骨類似組織が軟骨内骨化を生じることにより術後10週で横突起が癒合した。PRPは自己血液からの精製が可能であり多種の内因性成長因子を含有する。また、ゼラチンβ-TCPスポンジは、成長因子の徐放作用を持つゼラチンと、骨伝導能を持つβ-TCPを混合し多孔体に加工した生体吸収性の足場である。本研究で検証した両群における骨癒合過程は、長管骨の骨癒合過程と類似しており、PRPとゼラチンβ-TCPスポンジを用いた骨癒合法がきわめて生理的な骨癒合過程を経ることが判明した。以上の結果を第26回日本整形外科学会基礎学術集会に発表予定である。また前年度および今年度の結果を論文にまとめ、海外ジャーナルに投稿中である。
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Research Products
(1 results)