2009 Fiscal Year Annual Research Report
iPS細胞を用いたハイブリッド型人工神経による末梢神経欠損部の架橋実験
Project/Area Number |
21591904
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
高松 聖仁 Osaka City University, 大学院・医学研究科, 講師 (30295688)
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Keywords | iPS細胞 / 再生医療 / 生体材料 / 組織工学 / 末梢神経 / 人工神経 / 再生 / 生体吸収性材料 |
Research Abstract |
【目的】これまでわれわれは、培養schwann細胞と生体吸収性ポリマーチューブを組み合わせたハイブリッド型人工神経を作成し報告してきた。現在、iPS細胞(人工多能性幹細胞)が開発されiPS細胞から神経系細胞への分化誘導が可能となっている。平成21年度の目的は、iPS細胞を用いたハイブリッド型人工神経の作成のために、iPS細胞から分化誘導させた神経系細胞がこの人工神経上で三次元培養可能かどうか、その細胞特性について検討することであった。 【方法】人工神経は内径2mm・外径3mmの二層構造(内層:PLA/PCLのスポンジ状共重合体、外層:PLAメッシュで補強)を持っポリマーチューブとした。iPS細胞から神経系細胞への分化誘導を行い、primary neurosphere (PN)、secondary neurosphere (SN)を作成した。各PN,SNの細胞をこの人工神経の内腔に播種し培養した。人工神経上で7日間培養後、採取した人工神経の組織学的評価(HE染色および抗S-100抗体、抗GFAP抗体、抗oligodendrocyte抗体、抗neurofilament抗体による免疫染色)を行った。 【結果】HE染色にてPN,SNともに人工神経の管腔内での生着が確認され、抗S-100抗体陽性、抗GFAP抗体陽性、抗oligodendrocyte抗体陽性の細胞を管空壁に認めた。その染色性は二つのneurosphereについて差違は認めなかった。すなわち、iPS細胞から分化誘導されたneurosphereは、人工神経上で3次元培養が可能であり、その多分化能は保持されたと考えられた。
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